理想気体の状態方程式 $PV = nRT$ を用いて、絶対温度 $T$ の全微分が完全微分であることを示す。ただし、$T = \frac{PV}{nR}$ であり、$n$ は物質量、$R$ は気体定数とする。

応用数学熱力学全微分偏微分状態方程式
2025/4/24

1. 問題の内容

理想気体の状態方程式 PV=nRTPV = nRT を用いて、絶対温度 TT の全微分が完全微分であることを示す。ただし、T=PVnRT = \frac{PV}{nR} であり、nn は物質量、RR は気体定数とする。

2. 解き方の手順

全微分が完全微分であるためには、ある関数 f(x,y)f(x, y) が存在し、df=M(x,y)dx+N(x,y)dydf = M(x, y)dx + N(x, y)dy と表されるとき、My=Nx\frac{\partial M}{\partial y} = \frac{\partial N}{\partial x} が成立する必要がある。
温度 TT は圧力 PP と体積 VV の関数であるから、T=T(P,V)T = T(P, V) と考える。
温度 TT の全微分 dTdT は、
dT=(TP)VdP+(TV)PdVdT = \left( \frac{\partial T}{\partial P} \right)_V dP + \left( \frac{\partial T}{\partial V} \right)_P dV
と表せる。ここで、
(TP)V=VnR\left( \frac{\partial T}{\partial P} \right)_V = \frac{V}{nR}
(TV)P=PnR\left( \frac{\partial T}{\partial V} \right)_P = \frac{P}{nR}
したがって、全微分 dTdT は、
dT=VnRdP+PnRdVdT = \frac{V}{nR} dP + \frac{P}{nR} dV
となる。
ここで、M(P,V)=VnRM(P, V) = \frac{V}{nR}N(P,V)=PnRN(P, V) = \frac{P}{nR} とおくと、
MV=V(VnR)=1nR\frac{\partial M}{\partial V} = \frac{\partial}{\partial V} \left( \frac{V}{nR} \right) = \frac{1}{nR}
NP=P(PnR)=1nR\frac{\partial N}{\partial P} = \frac{\partial}{\partial P} \left( \frac{P}{nR} \right) = \frac{1}{nR}
したがって、MV=NP\frac{\partial M}{\partial V} = \frac{\partial N}{\partial P} が成立する。
これは、温度 TT の全微分 dTdT が完全微分であることを意味する。

3. 最終的な答え

絶対温度 TT の全微分は完全微分である。

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