2つの不等式 $|x+3| < 5$ と $2x-10 > k$ をともに満たす整数 $x$ がただ1つだけ存在するとき、定数 $k$ の値の範囲を求める。

1. 問題の内容

2つの不等式 $|x+3| < 5$ と $2x-10 > k$ をともに満たす整数 $x$ がただ1つだけ存在するとき、定数 $k$ の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、不等式 $|x+3| < 5$ を解く。絶対値の性質から、

$-5 < x+3 < 5$

各辺から 3 を引くと

$-8 < x < 2$

次に、不等式 $2x-10 > k$ を解く。

$2x > k+10$

$x > \frac{k+10}{2}$

2つの不等式を満たす $x$ の範囲は、$\frac{k+10}{2} < x < 2$ である。この範囲に整数 $x$ がただ1つだけ存在するという条件から $k$ の範囲を求める。

$-8 < x < 2$ を満たす整数は、$-7, -6, -5, -4, -3, -2, -1, 0, 1$ の 9 個。$\frac{k+10}{2} < x < 2$ を満たす整数が 1 つだけになるためには、$\frac{k+10}{2}$ の値によって場合分けが必要になる。

$x=1$ のみが条件を満たす場合、$\frac{k+10}{2} < 1$ かつ $\frac{k+10}{2} \ge 0$ でなければならない。

$\frac{k+10}{2} < 1$ より $k+10 < 2$ なので $k < -8$

$\frac{k+10}{2} \ge 0$ より $k+10 \ge 0$ なので $k \ge -10$

よって、$-10 \le k < -8$。

$\frac{k+10}{2} < x < 2$ に整数が 1 つだけ存在するとき、$0 \le \frac{k+10}{2} < 1$ であれば $x = 1$ のみ存在し、$x=1$ が整数として存在する条件は、$\frac{k+10}{2} < 1 \le 2$　である。

$x=0$ のみが条件を満たす場合、$\frac{k+10}{2} < 0$ かつ $\frac{k+10}{2} \ge -1$ でなければならない。

$\frac{k+10}{2} < 0$ より $k+10 < 0$ なので $k < -10$

$\frac{k+10}{2} \ge -1$ より $k+10 \ge -2$ なので $k \ge -12$

よって、$-12 \le k < -10$。

一般に、整数 $n$ に対して $n \le \frac{k+10}{2} < n+1$ となる場合を考えると、$2n \le k+10 < 2n+2$。よって、$2n-10 \le k < 2n-8$。

今、$x=n+1$ だけが $\frac{k+10}{2} < x < 2$ を満たすとすると、$\frac{k+10}{2} < n+1 \le 2$ となる。したがって、$n=1$ のとき、$\frac{k+10}{2} < 1 < 2$ より、$k < -8$ であり、$\frac{k+10}{2} \ge 0$ より $k \ge -10$ であるから $-10 \le k < -8$。$x=0$ のとき、$-12 \le k < -10$ となる。

$\frac{k+10}{2} < x < 2$ に含まれる整数が $1$ つだけということは、その整数を $m$ とすると、$m$ は $1$ つだけなので、$\frac{k+10}{2} < m < 2$ かつ $\frac{k+10}{2} \ge m-1$ を満たす必要がある。

$\frac{k+10}{2} < 2$ より $k < -6$ である。

$-8 < x < 2$ と $\frac{k+10}{2} < x$ の両方を満たす整数が 1 つだけになるのは、$x=1$ のとき。

$0 \le \frac{k+10}{2} < 1$ であればよい。

$0 \le k+10 < 2$

$-10 \le k < -8$

3. 最終的な答え

$-10 \le k < -8$