水槽内の水面に小球Pを触れさせ、水面波を発生させる。小球Pは一定の速さ $v$ で$x$軸正方向に移動する。図は、小球Pを毎秒5.0回水面に触れさせながら移動させたときに観測された水面波の山の位置を表している。 (1) 水面波の伝わる速さ $V$ を求めよ。 (2) 小球Pの移動の速さ $v$ を求めよ。 (3) 図のQの位置で観測される水面波の振動数 $f$ を求めよ。

応用数学波動ドップラー効果物理
2025/4/26

1. 問題の内容

水槽内の水面に小球Pを触れさせ、水面波を発生させる。小球Pは一定の速さ vvxx軸正方向に移動する。図は、小球Pを毎秒5.0回水面に触れさせながら移動させたときに観測された水面波の山の位置を表している。
(1) 水面波の伝わる速さ VV を求めよ。
(2) 小球Pの移動の速さ vv を求めよ。
(3) 図のQの位置で観測される水面波の振動数 ff を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 水面波の伝わる速さ VV を求める。
図から、小球Pが静止しているときに発生する水面波は、点Pを中心とした同心円となるはずである。図中で、小球Pが停止していたと思われる点からの水面波の波面は、点Pから右方向に4つの波面、左方向に4つの波面が等間隔で広がっている。
この等間隔の波面の半径を読み取り、4周期分の距離を計測することで波長を推定する。
図から、波長 λ\lambda は、4周期分の距離が約40cmなので、1周期あたり10cmである。したがって、λ=0.1\lambda = 0.1 m。
振動数は f0=5.0f_0 = 5.0 Hzなので、水面波の伝わる速さ VV は、
V=f0λ=5.0×0.1=0.5V = f_0 \lambda = 5.0 \times 0.1 = 0.5 m/s
(2) 小球Pの移動の速さ vv を求める。
小球Pが移動しているため、水面波の波面がドップラー効果によって歪んでいる。
図から、Pの前方(右側)の波長 λ1\lambda_1 は短く、後方(左側)の波長 λ2\lambda_2 は長くなっている。
λ11/4×0.4=0.1\lambda_1 \approx 1/4 \times 0.4 = 0.1 m と読み取れる。λ21/4×0.4=0.1\lambda_2 \approx 1/4 \times 0.4 = 0.1 m と読み取れる。
ドップラー効果の式より、
λ1=Vvf0\lambda_1 = \frac{V-v}{f_0}
λ2=V+vf0\lambda_2 = \frac{V+v}{f_0}
λ10\lambda_1 \approx 0 mの時、Vv0V-v \approx 0であるので、vVv \approx Vとなる。
正確に計算すると、
v=Vλ2λ1λ2+λ1v = V \frac{\lambda_2 - \lambda_1}{\lambda_2 + \lambda_1}
λ1\lambda_1の波長を0とする。つまり、小球Pの前方(右側)の波長 λ1=0\lambda_1 = 0 と近似する。
v=Vλ2λ2=VVv = V \frac{\lambda_2}{\lambda_2} = V \approx V
v=0.5v = 0.5 m/s
(3) 図のQの位置で観測される水面波の振動数 ff を求める。
点Qは、点Pから見て左側にあり、波長が長くなっている。
λ2=V+vf0\lambda_2 = \frac{V+v}{f_0}
λ2=V+vf0=0.5+0.55.0=0.2\lambda_2 = \frac{V+v}{f_0} = \frac{0.5+0.5}{5.0} = 0.2 m
点Qの位置はx=40x = -40 cmなので、十分遠い。
よって、観測される振動数は、
f=Vλ2=0.50.2=2.5f = \frac{V}{\lambda_2} = \frac{0.5}{0.2} = 2.5 Hz

3. 最終的な答え

(1) V=0.5V = 0.5 m/s
(2) v=0.5v = 0.5 m/s
(3) f=2.5f = 2.5 Hz

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