$a > 1$ である定数 $a$ について、以下の2つの不等式を考える。 (1) $|x - a + 1| > 1$ (2) $-6 - x < 2x \le 2$ 条件(A)は、不等式(1)と(2)を同時に満たす整数 $x$ がちょうど2個存在することである。 (1) 不等式(1)と(2)をそれぞれ解く。 (2) (i) $a > 1$ は (A) であるための何であるか。 (ii) $2 < a \le 3$ は (A) であるための何であるか。 (iii) $2 < a < 3$ は (A) であるための何であるか。

1. 問題の内容

$a > 1$ である定数 $a$ について、以下の2つの不等式を考える。

(1) $|x - a + 1| > 1$

(2) $-6 - x < 2x \le 2$

条件(A)は、不等式(1)と(2)を同時に満たす整数 $x$ がちょうど2個存在することである。

(1) 不等式(1)と(2)をそれぞれ解く。

(2)

(i) $a > 1$ は (A) であるための何であるか。

(ii) $2 < a \le 3$ は (A) であるための何であるか。

(iii) $2 < a < 3$ は (A) であるための何であるか。

2. 解き方の手順

(1) 不等式(1)を解く。

$|x - a + 1| > 1$ より、

$x - a + 1 > 1$ または $x - a + 1 < -1$

$x > a$ または $x < a - 2$

不等式(2)を解く。

$-6 - x < 2x$ より、$3x > -6$, $x > -2$

$2x \le 2$ より、$x \le 1$

よって、 $-2 < x \le 1$

(2) 条件(A)を考察する。不等式(1)かつ(2)を満たす整数 $x$ は、

$a < x \le 1$ または $-2 < x < a - 2$ を満たす。

この範囲に含まれる整数がちょうど2個となるような $a$ の条件を求める。

$-2 < x \le 1$ を満たす整数は $-1, 0, 1$ の3つである。

(i) $a > 1$ の場合、

$a < x \le 1$ の範囲には整数は存在しないので、

$-2 < x < a - 2$ に整数が2個存在する必要がある。

$-2 < x < a - 2$ を満たす整数が $x=-1, 0$ のとき条件(A)を満たす。

したがって、

$-2 < -1 < 0 < a-2 \le 1$

$2 < a \le 3$

$a > 1$ は $2 < a \le 3$ の必要条件である。($2 < a \le 3 \implies a > 1$ は真。$a>1 \implies 2 < a \le 3$ は偽。)

よって、$a > 1$ は (A) であるための必要条件であるが十分条件ではない。

(ii) $2 < a \le 3$ の場合、

$-2 < x \le 1$ の範囲の整数は $-1, 0, 1$

$x > a$ より、この範囲に整数は存在しないので、

$-2 < x < a-2$ に整数が2個存在する必要がある。

$-2 < x < a - 2$ を満たす整数が $x = -1, 0$ となる場合、

$1 < a - 2 \le 1$ でなければならない。 $1 < a - 2$ は $a > 3$ を意味する。$a-2$が1になることはない。$a \le 3$ なので矛盾。$2 < a \le 3$は$A$を満たさないので、必要条件でも十分条件でもない。

しかし条件Aは満たされないため、2< a <= 3は(A)であるための必要条件でも十分条件でもない。

(iii) $2 < a < 3$ の場合、

上記(ii)と同様に条件Aは満たされないため、必要条件でも十分条件でもない。

3. 最終的な答え

(1) $x > a$ または $x < a - 2$ かつ $-2 < x \le 1$

(2)

(i) ア

(ii) エ

(iii) エ