集合 $A$ と集合 $B$ があり、$n(A) = 7$、$n(B) = 10$ であるとき、$n(A \cap \overline{B})$ と $n(A \cup B)$ の取りうる値を求める問題です。ただし、$n(X)$ は集合 $X$ の要素の個数を表し、$\overline{B}$ は集合 $B$ の補集合を表します。

離散数学集合集合の要素数補集合和集合共通部分包含と排除の原理
2025/4/29

1. 問題の内容

集合 AA と集合 BB があり、n(A)=7n(A) = 7n(B)=10n(B) = 10 であるとき、n(AB)n(A \cap \overline{B})n(AB)n(A \cup B) の取りうる値を求める問題です。ただし、n(X)n(X) は集合 XX の要素の個数を表し、B\overline{B} は集合 BB の補集合を表します。

2. 解き方の手順

まず、n(AB)n(A \cap \overline{B}) を考えます。これは、AA に含まれるが BB に含まれない要素の数です。これは、n(A)n(A) から AABB の共通部分の要素の数を引いたものに等しくなります。すなわち、
n(AB)=n(A)n(AB)n(A \cap \overline{B}) = n(A) - n(A \cap B)
次に、n(AB)n(A \cup B) を考えます。これは、集合 AA と集合 BB の和集合の要素の数であり、包含と排除の原理より、
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)
n(A)=7,n(B)=10n(A)=7, n(B)=10 を代入すると
n(AB)=7+10n(AB)=17n(AB)n(A \cup B) = 7 + 10 - n(A \cap B) = 17 - n(A \cap B)
ここで、n(AB)n(A \cap B) は、00 から n(A)n(A) までの値を取りえます。つまり、0n(AB)70 \le n(A \cap B) \le 7 です。
(1) n(AB)n(A \cap \overline{B}) の取りうる値の範囲を考えます。
n(AB)=n(A)n(AB)=7n(AB)n(A \cap \overline{B}) = n(A) - n(A \cap B) = 7 - n(A \cap B)
0n(AB)70 \le n(A \cap B) \le 7 より、
777n(AB)707 - 7 \le 7 - n(A \cap B) \le 7 - 0
0n(AB)70 \le n(A \cap \overline{B}) \le 7
(2) n(AB)n(A \cup B) の取りうる値の範囲を考えます。
n(AB)=17n(AB)n(A \cup B) = 17 - n(A \cap B)
0n(AB)70 \le n(A \cap B) \le 7 より、
17717n(AB)17017 - 7 \le 17 - n(A \cap B) \le 17 - 0
10n(AB)1710 \le n(A \cup B) \le 17
したがって、n(AB)n(A \cap \overline{B}) は 0 から 7 までの整数値をとり、n(AB)n(A \cup B) は 10 から 17 までの整数値をとります。

3. 最終的な答え

n(AB)n(A \cap \overline{B}) の取りうる値:0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7
n(AB)n(A \cup B) の取りうる値:10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17

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