$xy$平面において、不等式 $3x^2 + 7xy + 2y^2 - 9x - 8y + 6 \le 0$ の表す領域を$D$とする。 (1) 領域$D$を$xy$平面上に図示せよ。 (2) 点$(x, y)$が領域$D$を動くとき、$x^2 + y^2$ の最小値を求めよ。

代数学不等式領域因数分解最小値二次関数
2025/4/29

1. 問題の内容

xyxy平面において、不等式 3x2+7xy+2y29x8y+603x^2 + 7xy + 2y^2 - 9x - 8y + 6 \le 0 の表す領域をDDとする。
(1) 領域DDxyxy平面上に図示せよ。
(2) 点(x,y)(x, y)が領域DDを動くとき、x2+y2x^2 + y^2 の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、3x2+7xy+2y29x8y+603x^2 + 7xy + 2y^2 - 9x - 8y + 6 \le 0 を因数分解する。
3x2+7xy+2y29x8y+6=(x+2y3)(3x+y2)03x^2 + 7xy + 2y^2 - 9x - 8y + 6 = (x+2y-3)(3x+y-2) \le 0
したがって、領域DDは、
x+2y30x+2y-3 \ge 0 かつ 3x+y203x+y-2 \le 0
または
x+2y30x+2y-3 \le 0 かつ 3x+y203x+y-2 \ge 0
を満たす領域である。
次に、x2+y2=kx^2+y^2 = kとおく。これは原点を中心とする半径k\sqrt{k}の円を表す。
領域DDと円x2+y2=kx^2+y^2=kが共有点を持つような最小のkkを求めれば良い。
x+2y3=0x+2y-3=03x+y2=03x+y-2=0の交点を求めると、
x+2y=3x+2y=33x+y=23x+y=2を連立して解くと、
x+2y=3x+2y=3
6x+2y=46x+2y=4
5x=15x=1よりx=15x=\frac{1}{5}
y=23x=235=75y=2-3x = 2-\frac{3}{5}=\frac{7}{5}
したがって、交点は(15,75)(\frac{1}{5}, \frac{7}{5})である。
境界線3x+y2=03x+y-2=0またはx+2y3=0x+2y-3=0に、x2+y2x^2+y^2の最小値を与える点がある。
x2+y2x^2+y^2は原点からの距離の二乗なので、原点から直線までの距離を求める。
原点から直線3x+y2=03x+y-2=0までの距離は
3(0)+0232+12=210=105\frac{|3(0)+0-2|}{\sqrt{3^2+1^2}} = \frac{2}{\sqrt{10}} = \frac{\sqrt{10}}{5}
したがって、このとき x2+y2=(105)2=1025=25x^2+y^2=(\frac{\sqrt{10}}{5})^2 = \frac{10}{25} = \frac{2}{5}
原点から直線x+2y3=0x+2y-3=0までの距離は
0+2(0)312+22=35=355\frac{|0+2(0)-3|}{\sqrt{1^2+2^2}} = \frac{3}{\sqrt{5}} = \frac{3\sqrt{5}}{5}
したがって、このとき x2+y2=(355)2=4525=95x^2+y^2=(\frac{3\sqrt{5}}{5})^2 = \frac{45}{25} = \frac{9}{5}
交点(15,75)(\frac{1}{5}, \frac{7}{5})のとき、x2+y2=(15)2+(75)2=125+4925=5025=2x^2+y^2 = (\frac{1}{5})^2+(\frac{7}{5})^2 = \frac{1}{25} + \frac{49}{25} = \frac{50}{25} = 2
3x+y2=03x+y-2=0上の点で、x2+y2x^2+y^2を最小にする点を考える。y=23xy=2-3xを代入して、
f(x)=x2+(23x)2=x2+412x+9x2=10x212x+4f(x)=x^2 + (2-3x)^2 = x^2+4-12x+9x^2 = 10x^2-12x+4
f(x)=20x12=0f'(x)=20x-12=0より、x=1220=35x=\frac{12}{20} = \frac{3}{5}
y=23x=23(35)=295=15y = 2-3x = 2 - 3(\frac{3}{5}) = 2 - \frac{9}{5} = \frac{1}{5}
x2+y2=(35)2+(15)2=925+125=1025=25x^2+y^2 = (\frac{3}{5})^2+(\frac{1}{5})^2 = \frac{9}{25} + \frac{1}{25} = \frac{10}{25} = \frac{2}{5}
x+2y3=35+253=13=2<0x+2y-3 = \frac{3}{5} + \frac{2}{5} -3 = 1-3 = -2 < 0
x+2y3=0x+2y-3=0上の点で、x2+y2x^2+y^2を最小にする点を考える。x=32yx=3-2yを代入して、
g(y)=(32y)2+y2=912y+4y2+y2=5y212y+9g(y)=(3-2y)^2+y^2 = 9-12y+4y^2+y^2 = 5y^2-12y+9
g(y)=10y12=0g'(y)=10y-12=0より、y=1210=65y=\frac{12}{10}=\frac{6}{5}
x=32(65)=3125=35x=3-2(\frac{6}{5}) = 3-\frac{12}{5} = \frac{3}{5}
x2+y2=(35)2+(65)2=925+3625=4525=95x^2+y^2 = (\frac{3}{5})^2+(\frac{6}{5})^2 = \frac{9}{25} + \frac{36}{25} = \frac{45}{25} = \frac{9}{5}
3x+y2=95+652=1552=32=1>03x+y-2 = \frac{9}{5}+\frac{6}{5}-2 = \frac{15}{5}-2 = 3-2 = 1>0
領域DD(x+2y3)(3x+y2)0(x+2y-3)(3x+y-2) \le 0より、x=25x=\frac{2}{5}y=45y=\frac{4}{5}のときx2+y2x^2+y^2は最小値45\frac{4}{5}となる。

3. 最終的な答え

x=25x=\frac{2}{5}y=45y=\frac{4}{5}のとき、最小値45\frac{4}{5}

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