AとBの2つの野球チームが繰り返し対戦し、先に3回勝ったチームを優勝とします。各試合でAがBに勝つ確率は$\frac{2}{3}$とし、引き分けはないものとします。 (1) Aが初戦から3連勝で優勝する確率を求めます。 (2) Aが3勝2敗で優勝する確率を求めます。 (3) Bが優勝する確率を求めます。 (4) Aが初戦から2連勝した後、Aが優勝する確率を求めます。

確率論・統計学確率試合組み合わせ
2025/5/1

1. 問題の内容

AとBの2つの野球チームが繰り返し対戦し、先に3回勝ったチームを優勝とします。各試合でAがBに勝つ確率は23\frac{2}{3}とし、引き分けはないものとします。
(1) Aが初戦から3連勝で優勝する確率を求めます。
(2) Aが3勝2敗で優勝する確率を求めます。
(3) Bが優勝する確率を求めます。
(4) Aが初戦から2連勝した後、Aが優勝する確率を求めます。

2. 解き方の手順

(1) Aが初戦から3連勝で優勝する確率は、Aが3回連続で勝つ確率なので、
(23)3=827(\frac{2}{3})^3 = \frac{8}{27}
(2) Aが3勝2敗で優勝する場合、Aは5試合目で3勝目を挙げて優勝します。つまり、最初の4試合でAが2勝2敗となり、5試合目でAが勝つ必要があります。最初の4試合でAが2勝2敗となる確率は、
4C2(23)2(13)2=6×49×19=2481=827_4C_2 (\frac{2}{3})^2 (\frac{1}{3})^2 = 6 \times \frac{4}{9} \times \frac{1}{9} = \frac{24}{81} = \frac{8}{27}
その後、Aが勝つ確率を掛けて、
827×23=1681\frac{8}{27} \times \frac{2}{3} = \frac{16}{81}
(3) Bが優勝する確率は、Aが優勝する確率を1から引いて求めることができます。Aが3回で優勝する確率は(23)3=827(\frac{2}{3})^3 = \frac{8}{27}。Aが4回で優勝する確率は3C2(23)3(13)=3×827×13=2481=827_3C_2(\frac{2}{3})^3(\frac{1}{3}) = 3 \times \frac{8}{27} \times \frac{1}{3} = \frac{24}{81} = \frac{8}{27}。Aが5回で優勝する確率は4C2(23)3(13)2=6×827×19=48243=1681_4C_2(\frac{2}{3})^3(\frac{1}{3})^2 = 6 \times \frac{8}{27} \times \frac{1}{9} = \frac{48}{243} = \frac{16}{81}
Aが優勝する確率は827+2481+1681=24+24+1681=6481\frac{8}{27} + \frac{24}{81} + \frac{16}{81} = \frac{24 + 24 + 16}{81} = \frac{64}{81}
Bが優勝する確率は16481=816481=17811 - \frac{64}{81} = \frac{81 - 64}{81} = \frac{17}{81}
または、Bが3回で優勝する確率は(13)3=127(\frac{1}{3})^3 = \frac{1}{27}。Bが4回で優勝する確率は3C2(13)3(23)=3×127×23=681=227_3C_2(\frac{1}{3})^3(\frac{2}{3}) = 3 \times \frac{1}{27} \times \frac{2}{3} = \frac{6}{81} = \frac{2}{27}。Bが5回で優勝する確率は4C2(13)3(23)2=6×127×49=24243=881_4C_2(\frac{1}{3})^3(\frac{2}{3})^2 = 6 \times \frac{1}{27} \times \frac{4}{9} = \frac{24}{243} = \frac{8}{81}
Bが優勝する確率は127+681+881=3+6+881=1781\frac{1}{27} + \frac{6}{81} + \frac{8}{81} = \frac{3 + 6 + 8}{81} = \frac{17}{81}
(4) Aが初戦から2連勝した後、Aが優勝する確率は、Aがもう1勝すれば優勝します。
Aが3戦目で勝つ確率は23\frac{2}{3}。Aが3戦目で負けて4戦目で勝つ確率は13×23=29\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{2}{9}
Aが3戦目で負けて4戦目で負けて5戦目で勝つ確率は13×13×23=227\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{2}{27}
Aが優勝する確率は23+29+0=6+29=89\frac{2}{3} + \frac{2}{9} + 0 = \frac{6 + 2}{9} = \frac{8}{9}
あるいは、Aが残りの試合で1回勝てばよいので、Aが1回で勝つ確率は23\frac{2}{3}。Aが2回目に勝つ確率は13×23=29\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{2}{9}。したがって、Aが優勝する確率は、23+29=69+29=89\frac{2}{3} + \frac{2}{9} = \frac{6}{9} + \frac{2}{9} = \frac{8}{9}
ここで、Aが初戦から2連勝しているので、残り1勝すればAが優勝する。したがって、Aが3戦目で勝つ確率は23\frac{2}{3}。Aが3戦目で負けて4戦目で勝つ確率は1323=29\frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3}=\frac{2}{9}である。したがって、Aが優勝する確率は、23+29=6+29=89\frac{2}{3}+\frac{2}{9}=\frac{6+2}{9}=\frac{8}{9}
Aが残りの1勝をする確率を求める。残りの対戦において、Aが勝つ確率は23\frac{2}{3}、Bが勝つ確率は13\frac{1}{3}である。
Aが1回で勝つ確率は23\frac{2}{3}。Aが2回目に勝つ確率は、Bが1回目に勝つ必要があるため、13×23=29\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{2}{9}
したがって、Aが優勝する確率は23+29=69+29=89\frac{2}{3} + \frac{2}{9} = \frac{6}{9} + \frac{2}{9} = \frac{8}{9}
23×23=49\frac{2}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{9}。 Aが3試合目に負けた場合、次でAが勝てば、Aが優勝する。Aが3試合目に負けて4試合目に勝つ確率は、(13)×(23)=29(\frac{1}{3}) \times (\frac{2}{3}) = \frac{2}{9}。従って、初めの2試合に勝っているので、49+29=69=23\frac{4}{9} + \frac{2}{9} = \frac{6}{9} = \frac{2}{3}23+13(23)=23+29=89\frac{2}{3} + \frac{1}{3}(\frac{2}{3}) = \frac{2}{3} + \frac{2}{9} = \frac{8}{9}
1/31/3

3. 最終的な答え

(1) 827\frac{8}{27}
(2) 1681\frac{16}{81}
(3) 1781\frac{17}{81}
(4) 2627\frac{26}{27}

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