全体集合 $U$ と、その部分集合 $A$, $B$ について、要素の個数がそれぞれ $n(U) = 60$, $n(A) = 30$, $n(B) = 25$ である。このとき、以下の集合の要素の個数のとりうる値の最大値と最小値を求める。 (1) $n(A \cap B)$ (2) $n(A \cup B)$ (3) $n(A \cap \overline{B})$

1. 問題の内容

全体集合 $U$ と、その部分集合 $A$, $B$ について、要素の個数がそれぞれ $n(U) = 60$, $n(A) = 30$, $n(B) = 25$ である。このとき、以下の集合の要素の個数のとりうる値の最大値と最小値を求める。

(1) $n(A \cap B)$

(2) $n(A \cup B)$

(3) $n(A \cap \overline{B})$

2. 解き方の手順

(1) $n(A \cap B)$ について

$A \cap B$ の要素の個数が最大になるのは、$B \subset A$ となるときである。このとき、$A \cap B = B$ となり、$n(A \cap B) = n(B) = 25$ となる。

$A \cap B$ の要素の個数が最小になるのは、$A \cup B \subset U$ となることを考慮すると、$n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$ より、$n(A \cap B) = n(A) + n(B) - n(A \cup B)$ である。

$n(A \cup B)$ が最大となるのは、$A \cup B = U$ となるときで、$n(A \cup B) = n(U) = 60$ である。

よって、$n(A \cap B) = n(A) + n(B) - n(U) = 30 + 25 - 60 = -5$ となるが、$n(A \cap B) \geq 0$ より、$n(A \cap B)$ の最小値は 0 である。

(2) $n(A \cup B)$ について

$A \cup B$ の要素の個数が最大になるのは、$A \cup B = U$ となるときである。このとき、$n(A \cup B) = n(U) = 60$ となる。

$A \cup B$ の要素の個数が最小になるのは、$A \supset B$ または $B \supset A$ となるときである。$n(A) > n(B)$ より、$A \supset B$ となる場合を考える。このとき、$A \cup B = A$ となり、$n(A \cup B) = n(A) = 30$ となる。

(3) $n(A \cap \overline{B})$ について

$n(A \cap \overline{B}) = n(A) - n(A \cap B)$ である。

$n(A \cap \overline{B})$ が最大になるのは、$n(A \cap B)$ が最小となるときである。 $n(A \cap B)$ の最小値は0なので、$n(A \cap \overline{B}) = n(A) - 0 = 30$ となる。

$n(A \cap \overline{B})$ が最小になるのは、$n(A \cap B)$ が最大となるときである。$n(A \cap B)$ の最大値は25なので、$n(A \cap \overline{B}) = n(A) - 25 = 30 - 25 = 5$ となる。

3. 最終的な答え

(1) $n(A \cap B)$ の最大値：25, 最小値：0

(2) $n(A \cup B)$ の最大値：60, 最小値：30

(3) $n(A \cap \overline{B})$ の最大値：30, 最小値：5