与えられた3次方程式 $x^3 - \frac{3}{2}x^2 - 6x - k = 0$ が、異なる3つの実数解を持つような定数 $k$ の範囲を求めます。さらに、$k$ がその範囲にあるとき、3つの解を $\alpha, \beta, \gamma$ （ただし、$\alpha < \beta < \gamma$）とすると、$\alpha, \beta, \gamma$ の取りうる範囲を求め、最後に $\alpha \gamma$ が最小となる $k$ の値と、その最小値を求めます。

1. 問題の内容

与えられた3次方程式 $x^3 - \frac{3}{2}x^2 - 6x - k = 0$ が、異なる3つの実数解を持つような定数 $k$ の範囲を求めます。さらに、$k$ がその範囲にあるとき、3つの解を $\alpha, \beta, \gamma$ （ただし、$\alpha < \beta < \gamma$）とすると、$\alpha, \beta, \gamma$ の取りうる範囲を求め、最後に $\alpha \gamma$ が最小となる $k$ の値と、その最小値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) $f(x) = x^3 - \frac{3}{2}x^2 - 6x$ とおくと、与えられた方程式は $f(x) = k$ と書き換えられます。3次方程式が異なる3つの実数解を持つためには、$y = f(x)$ のグラフと $y = k$ のグラフが3つの異なる交点を持つ必要があります。

$f'(x) = 3x^2 - 3x - 6 = 3(x^2 - x - 2) = 3(x - 2)(x + 1)$

$f'(x) = 0$ となるのは $x = 2, -1$ のときです。

$f(-1) = (-1)^3 - \frac{3}{2}(-1)^2 - 6(-1) = -1 - \frac{3}{2} + 6 = \frac{7}{2}$

$f(2) = (2)^3 - \frac{3}{2}(2)^2 - 6(2) = 8 - 6 - 12 = -10$

したがって、異なる3つの実数解を持つための $k$ の範囲は、$-10 < k < \frac{7}{2}$ です。

(2)(a) $k$ が $-10 < k < \frac{7}{2}$ の範囲を動くとき、$x = -1$ で極大値 $\frac{7}{2}$ を、$x = 2$ で極小値 $-10$ をとるので、

$\alpha < -1$, $-1 < \beta < 2$, $2 < \gamma$ が成り立ちます。

ここで、$k$ を $\frac{7}{2}$ に近づけると $\alpha, \beta$ は $-1$ に近づき、$\gamma$ は大きくなります。また、$k$ を $-10$ に近づけると $\beta, \gamma$ は $2$ に近づき、$\alpha$ は小さくなります。

$k \to \frac{7}{2}$ の時、$-1$ は重解になるので、$\alpha < -1$ かつ $\beta \to -1$ なので $\alpha < -1$ です。

$k \to -10$ の時、$2$ は重解になるので、$\gamma > 2$ かつ $\beta \to 2$ なので $\gamma > 2$ です。

$f(x) = x^3 - \frac{3}{2} x^2 - 6x$ において、$x$ が十分大きいとき、$f(x)$ はいくらでも大きくなるため、$\gamma$ の上限はありません。同様に、$x$ が十分小さいとき、$f(x)$ はいくらでも小さくなるため、$\alpha$ の下限はありません。

したがって、$\alpha < -1$, $-1 < \beta < 2$, $\gamma > 2$ です。

(2)(b) $\alpha \gamma$ が最小となる $k$ の値と、その最小値を求めます。

$f(x) = k$ となる $x$ の値が $\alpha, \beta, \gamma$ なので、解と係数の関係から、

$\alpha + \beta + \gamma = \frac{3}{2}$

$\alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha = -6$

$\alpha \beta \gamma = k$

ここで、$\alpha \gamma$ を最小化することを考えます。$k$ が $-10$ に近いほど、$\alpha$ は小さく、$\gamma$ は $2$ に近くなるため、$\alpha \gamma$ は小さくなります。

$k = -10$ のとき、$x = 2$ が重解となるので、

$(x - 2)^2 (x - a) = x^3 - (4+a)x^2 + (4a+4)x - 4a = x^3 - \frac{3}{2}x^2 - 6x - k$ とすると、

$4+a = \frac{3}{2}$ より $a = \frac{3}{2} - 4 = -\frac{5}{2}$

$4a+4 = -6$ より $4a = -10$ なので $a = -\frac{5}{2}$

$-4a = -k$ より $k = 4a = -10$

この時、$\alpha = -\frac{5}{2}$, $\beta = 2$, $\gamma = 2$ なので、$\alpha \gamma = -\frac{5}{2} \times 2 = -5$

3. 最終的な答え

(1) $-10 < k < \frac{7}{2}$

(2)(a) $\alpha < -1$, $-1 < \beta < 2$, $\gamma > 2$

(2)(b) $k = -10$, $\alpha \gamma = -5$