$f(x) = \int_{0}^{2} |e^t - x| dt$ の最小値を求める問題です。 (1) $x$ の範囲によって $f(x)$ を具体的に表す。 (2) 各範囲における $f(x)$ の最小値を与える $x$ の値を求める。 (3) $f(x)$ の最小値を求める。

1. 問題の内容

$f(x) = \int_{0}^{2} |e^t - x| dt$ の最小値を求める問題です。

(1) $x$ の範囲によって $f(x)$ を具体的に表す。

(2) 各範囲における $f(x)$ の最小値を与える $x$ の値を求める。

(3) $f(x)$ の最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) $x$ の範囲によって積分区間を分割して積分を計算します。

- $x \le 1$ のとき: $e^t > x$ なので、$f(x) = \int_0^2 (e^t - x) dt = [e^t - xt]_0^2 = e^2 - 2x - (1 - 0) = e^2 - 2x - 1$

- $1 < x < e^2$ のとき: $e^t = x$ となる $t$ は $t = \log x$ なので、$f(x) = \int_0^{\log x} (x - e^t) dt + \int_{\log x}^2 (e^t - x) dt = [xt - e^t]_0^{\log x} + [e^t - xt]_{\log x}^2 = (x\log x - x) - (0 - 1) + (e^2 - 2x) - (x - x\log x) = x\log x - x + 1 + e^2 - 2x - x + x\log x = 2x\log x - 4x + e^2 + 1$

- $e^2 \le x$ のとき: $e^t < x$ なので、$f(x) = \int_0^2 (x - e^t) dt = [xt - e^t]_0^2 = 2x - e^2 - (0 - 1) = 2x - e^2 + 1$

したがって、

- $x \le 1$ のとき、$f(x) = e^2 - 2x - 1$

- $1 < x < e^2$ のとき、$f(x) = 2x\log x - 4x + e^2 + 1$

- $e^2 \le x$ のとき、$f(x) = 2x - e^2 + 1$

(2) 各範囲で $f(x)$ の最小値を求めます。

- $x \le 0$ のとき、$f(x) = e^2 - 2x - 1$ は単調減少なので、$x=0$で最小値をとる。答えは3。

- $0 < x < e^2$ のとき、$f(x) = 2x\log x - 4x + e^2 + 1$ の微分は $f'(x) = 2\log x + 2 - 4 = 2\log x - 2$ となり、$f'(x) = 0$ となるのは $\log x = 1$ つまり $x=e$。

したがって、$x=e$ のとき最小値をとる。答えは6。

- $e^2 \le x$ のとき、$f(x) = 2x - e^2 + 1$ は単調増加なので、$x=e^2$ で最小値をとる。答えは7。

(3) $f(x)$ の最小値を求めます。

- $x \le 1$ のとき、最小値は $f(1) = e^2 - 2(1) - 1 = e^2 - 3$。

- $1 < x < e^2$ のとき、最小値は $f(e) = 2e\log e - 4e + e^2 + 1 = 2e - 4e + e^2 + 1 = e^2 - 2e + 1 = (e-1)^2$。

- $e^2 \le x$ のとき、最小値は $f(e^2) = 2e^2 - e^2 + 1 = e^2 + 1$。

$f(e) = e^2 - 2e + 1$ と $f(1) = e^2 - 3$ を比較すると、$f(e) - f(1) = (e^2 - 2e + 1) - (e^2 - 3) = -2e + 4 = 2(2 - e)$。$e \approx 2.718$ より、$2 - e < 0$ なので、$f(e) < f(1)$。

また、$f(e) = e^2 - 2e + 1$ と $f(e^2) = e^2 + 1$ を比較すると、$f(e^2) - f(e) = (e^2 + 1) - (e^2 - 2e + 1) = 2e > 0$ なので、$f(e) < f(e^2)$。

したがって、全体の最小値は $f(e) = e^2 - 2e + 1$ である。答えは2。

3. 最終的な答え

(1) 1: 2, 2: 2, 3: 1, 4: 2, 5: 4, 6: 2, 7: 1, 8: 2, 9: 2, 10: 1

(2) 11: 3, 12: 6, 13: 7

(3) 14: 2