三角形ABCにおいて、AB=3, AC=4, ∠BAC=60°とする。辺BCを2:1に内分する点をD、点Aから辺BCに引いた垂線と辺BCとの交点をHとするとき、以下の問いに答えよ。 (1) ADの長さを求めよ。 (2) AHベクトルをABベクトル、ACベクトルを用いて表せ。

幾何学ベクトル余弦定理内分点垂線
2025/5/8

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、AB=3, AC=4, ∠BAC=60°とする。辺BCを2:1に内分する点をD、点Aから辺BCに引いた垂線と辺BCとの交点をHとするとき、以下の問いに答えよ。
(1) ADの長さを求めよ。
(2) AHベクトルをABベクトル、ACベクトルを用いて表せ。

2. 解き方の手順

(1) ADの長さを求める。
まず、余弦定理を用いてBCの長さを求める。
BC2=AB2+AC22ABACcosBACBC^2 = AB^2 + AC^2 - 2 \cdot AB \cdot AC \cdot \cos{\angle BAC}
BC2=32+42234cos60BC^2 = 3^2 + 4^2 - 2 \cdot 3 \cdot 4 \cdot \cos{60^\circ}
BC2=9+162412BC^2 = 9 + 16 - 24 \cdot \frac{1}{2}
BC2=2512=13BC^2 = 25 - 12 = 13
BC=13BC = \sqrt{13}
次に、BD:DC=2:1なので、BD = 23BC\frac{2}{3}BCである。したがって、BD=2133BD = \frac{2\sqrt{13}}{3}となる。
次に、三角形ABDにおいて、余弦定理を用いる。
AD2=AB2+BD22ABBDcosABCAD^2 = AB^2 + BD^2 - 2 \cdot AB \cdot BD \cdot \cos{\angle ABC}
cosABC\cos{\angle ABC}を求めるために、三角形ABCにおいて余弦定理を用いる。
AC2=AB2+BC22ABBCcosABCAC^2 = AB^2 + BC^2 - 2 \cdot AB \cdot BC \cdot \cos{\angle ABC}
42=32+132313cosABC4^2 = 3^2 + 13 - 2 \cdot 3 \cdot \sqrt{13} \cdot \cos{\angle ABC}
16=9+13613cosABC16 = 9 + 13 - 6\sqrt{13}\cos{\angle ABC}
613cosABC=66\sqrt{13}\cos{\angle ABC} = 6
cosABC=113\cos{\angle ABC} = \frac{1}{\sqrt{13}}
AD2=32+(2133)2232133113AD^2 = 3^2 + (\frac{2\sqrt{13}}{3})^2 - 2 \cdot 3 \cdot \frac{2\sqrt{13}}{3} \cdot \frac{1}{\sqrt{13}}
AD2=9+41394AD^2 = 9 + \frac{4 \cdot 13}{9} - 4
AD2=5+529=45+529=979AD^2 = 5 + \frac{52}{9} = \frac{45 + 52}{9} = \frac{97}{9}
AD=973AD = \frac{\sqrt{97}}{3}
(2) AHベクトルをABベクトル、ACベクトルを用いて表す。
AHはBCに垂直なので、AH=sAB+tAC\vec{AH} = s\vec{AB} + t\vec{AC}とおくと、AHBC=0\vec{AH} \cdot \vec{BC} = 0となる。
BC=ACAB\vec{BC} = \vec{AC} - \vec{AB}なので、(sAB+tAC)(ACAB)=0(s\vec{AB} + t\vec{AC}) \cdot (\vec{AC} - \vec{AB}) = 0
sABACsAB2+tAC2tABAC=0s\vec{AB}\cdot\vec{AC} - s|\vec{AB}|^2 + t|\vec{AC}|^2 - t\vec{AB}\cdot\vec{AC} = 0
ABAC=ABACcos60=3412=6\vec{AB}\cdot\vec{AC} = |\vec{AB}||\vec{AC}|\cos{60^\circ} = 3 \cdot 4 \cdot \frac{1}{2} = 6
6s9s+16t6t=06s - 9s + 16t - 6t = 0
3s+10t=0-3s + 10t = 0
3s=10t3s = 10t
s=103ts = \frac{10}{3}t
また、HはBC上にあるので、s+t=ks+t = kとすると、AH=sAB+tAC=(1u)AB+uAC\vec{AH} = s\vec{AB} + t\vec{AC} = (1-u)\vec{AB}+u\vec{AC}とおける。
ここで、BC=ACAB\vec{BC}=\vec{AC}-\vec{AB}であり、BH=uBC\vec{BH} = u\vec{BC}
AHBCAH \perp BCより、AHBC=0\vec{AH}\cdot\vec{BC}=0
(sAB+tAC)(ACAB)=sABACsAB2+tAC2tABAC=0(s\vec{AB}+t\vec{AC})\cdot(\vec{AC}-\vec{AB})=s\vec{AB}\cdot\vec{AC}-s|\vec{AB}|^2+t|\vec{AC}|^2-t\vec{AB}\cdot\vec{AC}=0
s6s9+t16t6=0s \cdot 6 - s \cdot 9 + t \cdot 16 - t \cdot 6 = 0
3s+10t=0-3s+10t = 0
s=103ts = \frac{10}{3}t
AH=103tAB+tAC\vec{AH} = \frac{10}{3}t\vec{AB} + t\vec{AC}
BH=kBC=k(ACAB)\vec{BH}=k\vec{BC} = k(\vec{AC}-\vec{AB})
AH=AB+BH=AB+k(ACAB)=(1k)AB+kAC\vec{AH}=\vec{AB}+\vec{BH} = \vec{AB}+k(\vec{AC}-\vec{AB}) = (1-k)\vec{AB}+k\vec{AC}
103t=1k\frac{10}{3}t = 1-k, t=kt = k
103k=1k\frac{10}{3}k = 1-k
133k=1\frac{13}{3}k = 1
k=313k = \frac{3}{13}
よって、t=313t = \frac{3}{13}, s=103313=1013s = \frac{10}{3} \cdot \frac{3}{13} = \frac{10}{13}
AH=1013AB+313AC\vec{AH} = \frac{10}{13}\vec{AB} + \frac{3}{13}\vec{AC}

3. 最終的な答え

(1) AD=973AD = \frac{\sqrt{97}}{3}
(2) AH=1013AB+313AC\vec{AH} = \frac{10}{13}\vec{AB} + \frac{3}{13}\vec{AC}

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