整式 $P(x) = (x-3)(2x+a)$ と $Q(x) = x^3 - 3x^2 + bx + c$ が与えられています。$P(x)$ を $x-1$ で割った余りは $-6$ であり、$Q(x)$ は $x^2 + 2$ で割り切れるという条件のもとで、以下の問いに答えます。 (1) $a$ の値を求めます。 (2) $Q(x)$ を $x^2+2$ で割った商を求め、さらに $b$ と $c$ の値を求めます。 (3) $k$ を定数とするとき、方程式 $kP(x) + Q(x) = 0$ の異なる実数解の個数がちょうど2個となるような $k$ の値を求めます。

1. 問題の内容

整式 $P(x) = (x-3)(2x+a)$ と $Q(x) = x^3 - 3x^2 + bx + c$ が与えられています。$P(x)$ を $x-1$ で割った余りは $-6$ であり、$Q(x)$ は $x^2 + 2$ で割り切れるという条件のもとで、以下の問いに答えます。

(1) $a$ の値を求めます。

(2) $Q(x)$ を $x^2+2$ で割った商を求め、さらに $b$ と $c$ の値を求めます。

(3) $k$ を定数とするとき、方程式 $kP(x) + Q(x) = 0$ の異なる実数解の個数がちょうど2個となるような $k$ の値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) $P(x)$ を $x-1$ で割った余りは $-6$ であることから、$P(1) = -6$ が成り立ちます。

$P(1) = (1-3)(2(1)+a) = (-2)(2+a) = -6$

したがって、

$2+a = 3$

$a = 1$

(2) $Q(x) = x^3 - 3x^2 + bx + c$ は $x^2 + 2$ で割り切れるので、商を $x+m$ とおくと、

$Q(x) = (x^2+2)(x+m) = x^3 + mx^2 + 2x + 2m$

$x^3 - 3x^2 + bx + c = x^3 + mx^2 + 2x + 2m$

係数を比較して、$m = -3$, $b=2$, $c = 2m = -6$ となります。

したがって、商は $x-3$ であり、$b=2$, $c=-6$ です。

(3) $kP(x) + Q(x) = 0$ を解きます。

$P(x) = (x-3)(2x+1) = 2x^2 - 5x - 3$

$Q(x) = x^3 - 3x^2 + 2x - 6 = (x^2+2)(x-3)$

$kP(x) + Q(x) = k(2x^2 - 5x - 3) + x^3 - 3x^2 + 2x - 6 = 0$

$x^3 + (2k-3)x^2 + (2-5k)x - (3k+6) = 0$

$x=3$ は共通解なので、

$27 + 9(2k-3) + 3(2-5k) - (3k+6) = 27 + 18k - 27 + 6 - 15k - 3k - 6 = 0$

よって、$x-3$ で割れるはずです。

$kP(x) + Q(x) = (x-3)[x^2 + (2k)x + k+2] = 0$

$x^2 + 2kx + k+2 = 0$ が $x=3$ と異なる実数解を1つだけ持つか、実数解を持たない場合を考えます。

(i) $x^2 + 2kx + k+2 = 0$ が $x=3$ を解に持つとき、

$9 + 6k + k + 2 = 0$

$7k = -11$

$k = -11/7$

このとき、解は $x = 3, x=-3-2k = -3+22/7 = 1/7$。確かに2個。

(ii) $x^2 + 2kx + k+2 = 0$ が重解を持つとき、

判別式 $D = (2k)^2 - 4(k+2) = 4k^2 - 4k - 8 = 4(k^2 - k - 2) = 4(k-2)(k+1) = 0$

$k=2, -1$

$k=2$ のとき、$x^2 + 4x + 4 = (x+2)^2 = 0$ なので、$x=-2$ (重解)。解は $x=3, -2$ の2個。

$k=-1$ のとき、$x^2 - 2x + 1 = (x-1)^2 = 0$ なので、$x=1$ (重解)。解は $x=3, 1$ の2個。

3. 最終的な答え

$a = 1$

$Q(x)$ を $x^2+2$ で割った商は $x-3$ で、$b=2$, $c=-6$

$k=-11/7, -1, 2$