2点A(4, 0, 5)とB(0, 2, 1)を通る直線上の点のうち、原点Oとの距離が最小となる点をPとする。 (1) 直線ABと直線OPの間に成り立つ関係を予想せよ。 (2) 点Pの座標を求めよ。また、(1)で予想した関係が成り立つことを示せ。

幾何学ベクトル空間ベクトル直線距離内積
2025/5/8
以下に問題の解答を示します。

1. 問題の内容

2点A(4, 0, 5)とB(0, 2, 1)を通る直線上の点のうち、原点Oとの距離が最小となる点をPとする。
(1) 直線ABと直線OPの間に成り立つ関係を予想せよ。
(2) 点Pの座標を求めよ。また、(1)で予想した関係が成り立つことを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 予想:
原点Oから直線ABに下ろした垂線の足がPであると予想される。つまり、直線ABと直線OPは直交する。
(2) 点Pの座標を求める:
直線AB上の点をパラメータ表示する。
p=(1t)a+tb=(1t)(4,0,5)+t(0,2,1)=(44t,2t,54t)\vec{p} = (1-t)\vec{a} + t\vec{b} = (1-t)(4, 0, 5) + t(0, 2, 1) = (4-4t, 2t, 5-4t)
したがって、点Pの座標は (44t,2t,54t)(4-4t, 2t, 5-4t) と表せる。
OP=(44t,2t,54t)\vec{OP} = (4-4t, 2t, 5-4t)
AB=ba=(0,2,1)(4,0,5)=(4,2,4)\vec{AB} = \vec{b} - \vec{a} = (0, 2, 1) - (4, 0, 5) = (-4, 2, -4)
OPAB\vec{OP} \perp \vec{AB} より、OPAB=0\vec{OP} \cdot \vec{AB} = 0
(44t,2t,54t)(4,2,4)=0(4-4t, 2t, 5-4t) \cdot (-4, 2, -4) = 0
16+16t+4t20+16t=0-16 + 16t + 4t -20 + 16t = 0
36t=3636t = 36
t=1t = 1
しかし、t = 1の場合、点Pは点Bと一致する。点Bから原点までの距離は 02+22+12=5\sqrt{0^2+2^2+1^2} = \sqrt{5} である。直線AB上の他の点について、原点からの距離が5\sqrt{5}より小さくなる可能性がある。そこで、パラメータtの範囲を広げて考える。
AB=ba=(0,2,1)(4,0,5)=(4,2,4)\vec{AB} = \vec{b} - \vec{a} = (0, 2, 1) - (4, 0, 5) = (-4, 2, -4)
OPAB\vec{OP} \perp \vec{AB} より、内積は0になるので、
(4)(44t)+(2)(2t)+(4)(54t)=0(-4)(4-4t) + (2)(2t) + (-4)(5-4t) = 0
16+16t+4t20+16t=0-16 + 16t + 4t -20 + 16t = 0
36t=3636t = 36
t=1t = 1
これは間違っている。
p=a+tAB=(4,0,5)+t(4,2,4)=(44t,2t,54t)\vec{p} = \vec{a} + t\vec{AB} = (4,0,5) + t(-4,2,-4) = (4-4t, 2t, 5-4t)
OP=(44t,2t,54t)\vec{OP} = (4-4t, 2t, 5-4t)
OPAB=0\vec{OP} \cdot \vec{AB} = 0
(44t)(4)+(2t)(2)+(54t)(4)=0(4-4t)(-4) + (2t)(2) + (5-4t)(-4) = 0
16+16t+4t20+16t=0-16+16t+4t-20+16t=0
36t36=036t-36 = 0
t=1t = 1
どうしてこうなる?
計算ミスがないか確認しましょう。
点A(4,0,5), 点B(0,2,1)。直線AB上の点Pを
P=(x,y,z)=A+t(BA)=(4,0,5)+t(4,2,4)=(44t,2t,54t)P = (x,y,z) = A + t(B-A) = (4,0,5)+t(-4,2,-4) = (4-4t,2t,5-4t)と表す。
OP=(44t)2+(2t)2+(54t)2OP = \sqrt{(4-4t)^2+(2t)^2+(5-4t)^2}を最小にするtを求める。
f(t)=(44t)2+(2t)2+(54t)2=1632t+16t2+4t2+2540t+16t2=36t272t+41f(t) = (4-4t)^2+(2t)^2+(5-4t)^2 = 16-32t+16t^2+4t^2+25-40t+16t^2 = 36t^2-72t+41
f(t)=72t72f'(t) = 72t-72
f(t)=0f'(t)=0となるtはt=1t=1
f(t)=72>0f''(t) = 72 > 0なので極小。
よってPは(0,2,1)となる。
OPとABが垂直になることを示す。
OP=(0,2,1)OP = (0,2,1)
AB=(4,2,4)AB = (-4,2,-4)
OPAB=0(4)+22+1(4)=0+44=0OP \cdot AB = 0\cdot(-4) + 2\cdot2 + 1\cdot(-4) = 0+4-4 = 0
よってOPとABは垂直。

3. 最終的な答え

(1) 直線ABと直線OPは直交する。
(2) 点Pの座標は(0, 2, 1)であり、直線ABと直線OPは直交する。

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