区間 $[-1, 1]$ において、不等式 $\arcsin x + \sqrt{2(1-x)} \leq \frac{\pi}{2}$ が成り立つことを示す問題です。

解析学不等式導関数関数の増減arcsin微分
2025/5/9

1. 問題の内容

区間 [1,1][-1, 1] において、不等式 arcsinx+2(1x)π2\arcsin x + \sqrt{2(1-x)} \leq \frac{\pi}{2} が成り立つことを示す問題です。

2. 解き方の手順

まず、関数 f(x)=arcsinx+2(1x)f(x) = \arcsin x + \sqrt{2(1-x)} を定義します。そして、f(x)f(x) の導関数を計算し、増減を調べます。
f(x)f(x) が区間 [1,1][-1,1] で減少関数であることを示し、その最大値を求めることで、与えられた不等式が成り立つことを証明します。
まず、関数 f(x)f(x) を定義します。
f(x)=arcsinx+2(1x)f(x) = \arcsin x + \sqrt{2(1-x)}
次に、f(x)f(x) の導関数を計算します。
f(x)=11x2+122(1x)2(1)f'(x) = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}} + \frac{1}{2\sqrt{2(1-x)}} \cdot 2(-1)
f(x)=11x212(1x)f'(x) = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}} - \frac{1}{\sqrt{2(1-x)}}
f(x)=1(1x)(1+x)12(1x)f'(x) = \frac{1}{\sqrt{(1-x)(1+x)}} - \frac{1}{\sqrt{2(1-x)}}
f(x)=11x(11+x12)f'(x) = \frac{1}{\sqrt{1-x}} \left( \frac{1}{\sqrt{1+x}} - \frac{1}{\sqrt{2}} \right)
区間 [1,1][-1, 1] において、1x01-x \geq 0 なので、1x\sqrt{1-x} は実数です。
また、11+x12\frac{1}{\sqrt{1+x}} - \frac{1}{\sqrt{2}} の符号を考えます。
x1x \geq -1 より 1+x01+x \geq 0 です。
x=1x = -1 のとき、11+x=10\frac{1}{\sqrt{1+x}} = \frac{1}{\sqrt{0}} となり、定義されません。
x=1x = 1 のとき、11+x=12\frac{1}{\sqrt{1+x}} = \frac{1}{\sqrt{2}} となります。
1<x<1-1 < x < 1 のとき、1+x<21+x < 2 なので、1+x<2\sqrt{1+x} < \sqrt{2} となり、11+x>12\frac{1}{\sqrt{1+x}} > \frac{1}{\sqrt{2}} となります。
よって、x(1,1]x \in (-1, 1] に対して、f(x)0f'(x) \leq 0 となります。
つまり、f(x)f(x)(1,1](-1, 1] で減少関数です。
f(1)=arcsin1+2(11)=π2+0=π2f(1) = \arcsin 1 + \sqrt{2(1-1)} = \frac{\pi}{2} + 0 = \frac{\pi}{2}
x=1x = -1 のときは、
limx1+0arcsinx+2(1x)=π2+2(1(1))=π2+4=π2+2\lim_{x \to -1+0} \arcsin x + \sqrt{2(1-x)} = -\frac{\pi}{2} + \sqrt{2(1-(-1))} = -\frac{\pi}{2} + \sqrt{4} = -\frac{\pi}{2} + 2
π3.14\pi \approx 3.14 なので、π2+21.57+2=0.43<π2-\frac{\pi}{2} + 2 \approx -1.57 + 2 = 0.43 < \frac{\pi}{2} です。
したがって、f(x)π2f(x) \leq \frac{\pi}{2} が成り立つことが示されました。

3. 最終的な答え

区間 [1,1][-1, 1] において、arcsinx+2(1x)π2\arcsin x + \sqrt{2(1-x)} \leq \frac{\pi}{2} が成り立つ。

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