薬物を静脈内に急速投与した場合の血中薬物濃度の時間変化が微分方程式 $\frac{dC(t)}{dt} = -k_e C(t)$ で表される。ここで $k_e$ は消失速度定数である。 (1) この微分方程式を解いて、時刻 $t$ での血中薬物濃度 $C(t)$ を求める。ただし、初期条件は $t=0$ のとき $C(0) = C_0$ である。 (2) 投与直後の血中薬物濃度 $C_0$ が半分の $C_0/2$ になるまでの時間 $t_{1/2}$ を求める。

応用数学微分方程式指数関数薬物動態半減期
2025/5/9

1. 問題の内容

薬物を静脈内に急速投与した場合の血中薬物濃度の時間変化が微分方程式 dC(t)dt=keC(t)\frac{dC(t)}{dt} = -k_e C(t) で表される。ここで kek_e は消失速度定数である。
(1) この微分方程式を解いて、時刻 tt での血中薬物濃度 C(t)C(t) を求める。ただし、初期条件は t=0t=0 のとき C(0)=C0C(0) = C_0 である。
(2) 投与直後の血中薬物濃度 C0C_0 が半分の C0/2C_0/2 になるまでの時間 t1/2t_{1/2} を求める。

2. 解き方の手順

(1) 微分方程式 dC(t)dt=keC(t)\frac{dC(t)}{dt} = -k_e C(t) を解く。
これは変数分離形の微分方程式なので、
dC(t)C(t)=kedt\frac{dC(t)}{C(t)} = -k_e dt
両辺を積分すると、
dC(t)C(t)=kedt\int \frac{dC(t)}{C(t)} = \int -k_e dt
lnC(t)=ket+K\ln|C(t)| = -k_e t + K (Kは積分定数)
C(t)=eket+K=eKeketC(t) = e^{-k_e t + K} = e^K e^{-k_e t}
ここで、 A=eKA = e^K とおくと、
C(t)=AeketC(t) = A e^{-k_e t}
初期条件 t=0t=0 のとき C(0)=C0C(0) = C_0 を用いると、
C0=Aeke0=Ae0=AC_0 = A e^{-k_e \cdot 0} = A e^0 = A
よって、A=C0A = C_0
したがって、時刻 tt での血中薬物濃度 C(t)C(t)
C(t)=C0eketC(t) = C_0 e^{-k_e t}
(2) 投与直後の血中薬物濃度 C0C_0 が半分の C0/2C_0/2 になるまでの時間 t1/2t_{1/2} を求める。
C(t1/2)=C02C(t_{1/2}) = \frac{C_0}{2}
C02=C0eket1/2\frac{C_0}{2} = C_0 e^{-k_e t_{1/2}}
12=eket1/2\frac{1}{2} = e^{-k_e t_{1/2}}
両辺の自然対数をとると、
ln12=ket1/2\ln \frac{1}{2} = -k_e t_{1/2}
ln2=ket1/2-\ln 2 = -k_e t_{1/2}
t1/2=ln2ket_{1/2} = \frac{\ln 2}{k_e}

3. 最終的な答え

(1) 時刻 tt での血中薬物濃度 C(t)C(t):
C(t)=C0eketC(t) = C_0 e^{-k_e t}
(2) 半減期 t1/2t_{1/2}:
t1/2=ln2ket_{1/2} = \frac{\ln 2}{k_e}

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