ロジスティック方程式 $N' = rN(1 - \frac{N}{K})$ ($N \geq 0$, $t \geq 0$) について以下の問いに答える問題。 1) 平衡解 $N_{eq}$ を求める。 2) N-N' 相平面のN軸に速度場を描く。 3) 初期値 $N(0) = N_0$ が $N_0 = 0$, $N_0 \in (0, K)$, $N_0 = K$, $N_0 > K$ の各場合について、解のグラフの概形をt-N平面上に描き、$t \to \infty$ での漸近挙動を調べる。 4) 平衡解の安定性を調べる。 5) ロジスティック方程式はベルヌーイ方程式であり、$N(0) = N_0 (>0)$ を満たす解が $N(t) = \frac{N_0K}{(K - N_0)e^{-rt} + N_0}$ と書けることを示す。 6) 3)の$N_0 = 0$以外の各初期値について、前問で求めた解の概形(増減, $t \to \infty$での漸近)を調べ、相平面解析の結果と比較する。
2025/5/9
1. 問題の内容
ロジスティック方程式
(, )
について以下の問いに答える問題。
1) 平衡解 を求める。
2) N-N' 相平面のN軸に速度場を描く。
3) 初期値 が , , , の各場合について、解のグラフの概形をt-N平面上に描き、 での漸近挙動を調べる。
4) 平衡解の安定性を調べる。
5) ロジスティック方程式はベルヌーイ方程式であり、 を満たす解が
と書けることを示す。
6) 3)の以外の各初期値について、前問で求めた解の概形(増減, での漸近)を調べ、相平面解析の結果と比較する。
2. 解き方の手順
1) 平衡解 を求める。
平衡解は となる の値である。
より、 または 。
よって、。
2) N-N' 相平面のN軸に速度場を描く。
N軸上に の符号を描く。
では は定義されない。
では 。
では なので、。
では 。
では なので、。
3) 初期値 が , , , の各場合について、解のグラフの概形をt-N平面上に描き、 での漸近挙動を調べる。
- のとき、 (定数関数)。 で 。
- のとき、 なので、 は増加関数。 で 。
- のとき、 (定数関数)。 で 。
- のとき、 なので、 は減少関数。 で 。
4) 平衡解の安定性を調べる。
は不安定平衡点。が少しでも正であれば、は増加し、に近づく。
は安定平衡点。がより小さければ増加し、に近づき、がより大きければ減少して、に近づく。
5) ロジスティック方程式はベルヌーイ方程式であり、 を満たす解が
と書けることを示す。
与えられた解を微分してロジスティック方程式を満たすことを示す。
したがって、 を満たす。
のとき、 である。
6) 3)の以外の各初期値について、前問で求めた解の概形(増減, での漸近)を調べ、相平面解析の結果と比較する。
- のとき、 なので、 は増加関数。 で より、。
- のとき、 なので、 は減少関数。 で より、。
相平面解析の結果と比較すると、一致する。
3. 最終的な答え
1)
2) N軸上に の符号を描く。
では は定義されない。
では 。
では 。
では 。
では 。
3) - のとき、 (定数関数)。 で 。
- のとき、 は増加関数。 で 。
- のとき、 (定数関数)。 で 。
- のとき、 は減少関数。 で 。
4) は不安定平衡点。 は安定平衡点。
5)
6) - のとき、 は増加関数。 で 。
- のとき、 は減少関数。 で 。
相平面解析の結果と比較すると、一致する。