袋の中に赤球2個、青球1個が入っている。袋から球を1個取り出し、赤球なら代わりに青球を、青球なら代わりに赤球を袋に入れる。袋の中の球が全て青球になったとき、硬貨を1枚もらう。 (1) 2回目の操作で硬貨をもらう確率を求める。 (2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはないことを示す。 (3) 8回の操作でもらう硬貨の総数がちょうど1枚である確率を求める。

確率論・統計学確率反復試行確率過程
2025/5/9

1. 問題の内容

袋の中に赤球2個、青球1個が入っている。袋から球を1個取り出し、赤球なら代わりに青球を、青球なら代わりに赤球を袋に入れる。袋の中の球が全て青球になったとき、硬貨を1枚もらう。
(1) 2回目の操作で硬貨をもらう確率を求める。
(2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはないことを示す。
(3) 8回の操作でもらう硬貨の総数がちょうど1枚である確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) 2回目の操作で硬貨をもらう確率
最初に袋の中は赤球2個、青球1個である。硬貨をもらうには、3個とも青球になる必要がある。
1回目の操作で赤球を取り出す確率は 23\frac{2}{3}、青球を取り出す確率は 13\frac{1}{3}
1回目の操作で赤球を取り出した場合、袋の中は赤球1個、青球2個となる。
2回目の操作で赤球を取り出す確率は 13\frac{1}{3}
2回目の操作で青球を取り出す確率は 23\frac{2}{3}
1回目の操作で青球を取り出した場合、袋の中は赤球3個となる。
2回目の操作で赤球を取り出す確率は 1。
2回目の操作で硬貨をもらうのは、1回目に赤球を取り出し、2回目に赤球を取り出した場合のみである。
したがって、求める確率は 23×13=29\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{9}
(2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはないことの証明
操作を行うたびに、袋の中の青球の個数は、0個、1個、2個、3個のいずれかである。
奇数回目の操作後、袋の中の青球の個数は、必ず奇数個になる。
最初の青球の個数は1個であり、奇数個である。
赤球を取り出すと、青球が1つ増えるため、青球の個数は偶数個となる。
青球を取り出すと、青球が1つ減るため、青球の個数は偶数個となる。
奇数回目の操作後、青球の個数が奇数個であれば、偶数回目の操作後には青球の個数は偶数個となる。
偶数回目の操作後、青球の個数が偶数個であれば、奇数回目の操作後には青球の個数は奇数個となる。
したがって、奇数回目の操作で青球が3個になることはない。
ゆえに、奇数回目の操作で硬貨をもらうことはない。
(3) 8回の操作でもらう硬貨の総数がちょうど1枚である確率
8回の操作でちょうど1枚硬貨をもらうということは、偶数回目の操作で1回だけ硬貨をもらい、それ以外の操作では硬貨をもらわないということである。
硬貨をもらうためには、直前の状態が赤球1個、青球2個である必要がある。
状態が赤球2個、青球1個の状態をA、赤球1個、青球2個の状態をBとする。
Aの状態からBの状態になる確率は 23\frac{2}{3}、Bの状態からAの状態になる確率は 13\frac{1}{3}である。
Aの状態からAの状態に戻る確率は 13\frac{1}{3}、Bの状態からBの状態に戻る確率は 23\frac{2}{3}である。
8回の操作でちょうど1枚硬貨をもらう確率は、6回目までに状態Aから状態Bに移り、8回目に硬貨をもらう場合を考える。
6回目までに状態Bに到達し、7回目に状態Bから状態Aに戻り、8回目に硬貨をもらう確率を求める。
7回目までに状態Bに到達し、8回目に硬貨をもらう確率は、7回目までに状態Bに到達し、8回目に赤球を引く確率である。
8回目に硬貨をもらうのは、2回目、4回目、6回目、8回目のいずれかである。
2回目に硬貨をもらう確率は 23×13=29\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{9}。その後6回は状態AとBの間を行き来し、硬貨をもらわない確率を求める。
2回目に硬貨をもらう確率 ×\times その後6回硬貨をもらわない確率 + 4回目に硬貨をもらう確率 ×\times その後4回硬貨をもらわない確率 + 6回目に硬貨をもらう確率 ×\times その後2回硬貨をもらわない確率 + 8回目に硬貨をもらう確率
求める確率は (23×13)×(23)6\left(\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} \right) \times \left(\frac{2}{3}\right)^6
2回目に硬貨をもらう確率は 29\frac{2}{9}。残り6回の操作では状態Aに戻ってくる必要があり、確率は (13+23)6(\frac{1}{3}+\frac{2}{3})^6.
4回目に硬貨をもらう確率は 23×23×13×13\frac{2}{3} \times \frac{2}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{3}
求める確率 = 2313(13+23)6+232313(23+13)...\frac{2}{3} \cdot \frac{1}{3}(\frac{1}{3} + \frac{2}{3})^6 + \frac{2}{3} \cdot \frac{2}{3} \cdot \frac{1}{3} (\frac{2}{3}+\frac{1}{3}) \cdot ...
29(13)6=2729\frac{2}{9}(\frac{1}{3})^6 = \frac{2}{729}.

3. 最終的な答え

(1) 29\frac{2}{9}
(2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはない(証明は上記参照)
(3) 2729\frac{2}{729}

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