実数 $a$ を係数に持つ3次方程式 $x^3 - a^2x + a = 0$ が、相異なる3つの実数解を持つとき、$a$ の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

実数 $a$ を係数に持つ3次方程式 $x^3 - a^2x + a = 0$ が、相異なる3つの実数解を持つとき、$a$ の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

与えられた3次方程式を $f(x) = x^3 - a^2x + a$ とおく。この方程式が異なる3つの実数解を持つためには、$f(x)$ が極大値と極小値を持ち、かつそれらの符号が異なる必要がある。

まず、$f(x)$ の導関数を求める。

$f'(x) = 3x^2 - a^2$

$f'(x) = 0$ となる $x$ の値を求める。

$3x^2 - a^2 = 0$

$x^2 = \frac{a^2}{3}$

$x = \pm \frac{a}{\sqrt{3}}$

$a = 0$ のとき、$f'(x) = 3x^2$ となり、$x=0$ で重解を持つ。したがって、$f(x)=x^3$ となり、異なる3つの実数解を持たない。よって、$a \neq 0$ である。

$f(x)$ は $x = \frac{a}{\sqrt{3}}$ で極小値を、$x = -\frac{a}{\sqrt{3}}$ で極大値を持つか、その逆である。いずれにしても、$f(x)$ が異なる3つの実数解を持つためには、$f(\frac{a}{\sqrt{3}}) f(-\frac{a}{\sqrt{3}}) < 0$ が必要となる。

$f(\frac{a}{\sqrt{3}}) = (\frac{a}{\sqrt{3}})^3 - a^2 (\frac{a}{\sqrt{3}}) + a = \frac{a^3}{3\sqrt{3}} - \frac{a^3}{\sqrt{3}} + a = \frac{a^3 - 3a^3}{3\sqrt{3}} + a = -\frac{2a^3}{3\sqrt{3}} + a = a(1 - \frac{2a^2}{3\sqrt{3}})$

$f(-\frac{a}{\sqrt{3}}) = (-\frac{a}{\sqrt{3}})^3 - a^2 (-\frac{a}{\sqrt{3}}) + a = -\frac{a^3}{3\sqrt{3}} + \frac{a^3}{\sqrt{3}} + a = \frac{-a^3 + 3a^3}{3\sqrt{3}} + a = \frac{2a^3}{3\sqrt{3}} + a = a(1 + \frac{2a^2}{3\sqrt{3}})$

$f(\frac{a}{\sqrt{3}}) f(-\frac{a}{\sqrt{3}}) = a(1 - \frac{2a^2}{3\sqrt{3}}) a(1 + \frac{2a^2}{3\sqrt{3}}) = a^2 (1 - \frac{4a^4}{27}) < 0$

$a \neq 0$ より、$a^2 > 0$ だから、

$1 - \frac{4a^4}{27} < 0$

$\frac{4a^4}{27} > 1$

$4a^4 > 27$

$a^4 > \frac{27}{4}$

$a^2 > \frac{3\sqrt{3}}{2}$

$a > \sqrt{\frac{3\sqrt{3}}{2}}$ または $a < -\sqrt{\frac{3\sqrt{3}}{2}}$

よって $a^2 > \frac{3\sqrt{3}}{2} \approx 2.598$ なので $a > \sqrt{2.598} \approx 1.612$ または $a < -\sqrt{2.598} \approx -1.612$ となる

$a$ の範囲は $a < -\sqrt{\frac{3\sqrt{3}}{2}}$ または $a > \sqrt{\frac{3\sqrt{3}}{2}}$

3. 最終的な答え

$a < -\sqrt{\frac{3\sqrt{3}}{2}}$ または $a > \sqrt{\frac{3\sqrt{3}}{2}}$