与えられた問題は、無限級数 $\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2}$ の値を求める問題です。

解析学無限級数バーゼル問題オイラー正弦関数マクローリン展開無限積
2025/5/12

1. 問題の内容

与えられた問題は、無限級数 n=11n2\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} の値を求める問題です。

2. 解き方の手順

この無限級数は、バーゼル問題として知られています。バーゼル問題は、レオンハルト・オイラーによって解決されました。オイラーは、正弦関数の無限積表示とマクローリン展開を用いることでこの問題を解きました。
正弦関数のマクローリン展開は次のようになります。
sin(x)=xx33!+x55!x77!+\sin(x) = x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots
sin(x)/x=1x23!+x45!x67!+\sin(x) / x = 1 - \frac{x^2}{3!} + \frac{x^4}{5!} - \frac{x^6}{7!} + \cdots
sin(x)\sin(x) の零点は nπn\pi (nn は整数) であることから、sin(x)/x\sin(x)/x の零点は x=±π,±2π,±3π,x = \pm\pi, \pm2\pi, \pm3\pi, \cdots となります。
したがって、sin(x)/x\sin(x)/x は次のように無限積で表すことができます。
sin(x)x=(1xπ)(1+xπ)(1x2π)(1+x2π)(1x3π)(1+x3π)\frac{\sin(x)}{x} = (1 - \frac{x}{\pi})(1 + \frac{x}{\pi})(1 - \frac{x}{2\pi})(1 + \frac{x}{2\pi})(1 - \frac{x}{3\pi})(1 + \frac{x}{3\pi})\cdots
sin(x)x=(1x2π2)(1x24π2)(1x29π2)\frac{\sin(x)}{x} = (1 - \frac{x^2}{\pi^2})(1 - \frac{x^2}{4\pi^2})(1 - \frac{x^2}{9\pi^2})\cdots
この無限積を展開すると、x2x^2 の係数は 1π214π219π2=1π2n=11n2-\frac{1}{\pi^2} - \frac{1}{4\pi^2} - \frac{1}{9\pi^2} - \cdots = -\frac{1}{\pi^2}\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} となります。
一方、sin(x)/x\sin(x)/x のマクローリン展開における x2x^2 の係数は 13!=16-\frac{1}{3!} = -\frac{1}{6} です。
したがって、
1π2n=11n2=16-\frac{1}{\pi^2}\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} = -\frac{1}{6}
n=11n2=π26\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6}

3. 最終的な答え

n=11n2=π26\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6}

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