まず、対数の性質を利用して関数を整理します。絶対値記号は、微分を考える際には場合分けが必要になるため、先に処理することを考えます。
y=log1+x1−x=log∣1−x∣−log∣1+x∣ 次に、それぞれの絶対値の中身の符号によって場合分けを行います。
(i) 1−x>0 かつ 1+x>0 のとき、つまり −1<x<1 のとき y=log(1−x)−log(1+x) このとき、導関数は
dxdy=1−x−1−1+x1=(1−x)(1+x)−(1+x)−(1−x)=1−x2−2 (ii) 1−x<0 かつ 1+x>0 のとき、つまり x>1 のとき y=log(x−1)−log(1+x) このとき、導関数は
dxdy=x−11−1+x1=(x−1)(1+x)(1+x)−(x−1)=x2−12 これは(i)の答えと符号が異なります。
(iii) 1−x>0 かつ 1+x<0 のとき、つまり x<−1 のとき y=log(1−x)−log(−1−x) このとき、導関数は
dxdy=1−x−1−−1−x−1=1−x−1−1+x1=(1−x)(1+x)−(1+x)−(1−x)=1−x2−2 (iv) 1−x<0 かつ 1+x<0 のとき、これはありえません。 これらをまとめると、
dxdy=1−x2−2=x2−12 となります。 別の解き方として、
dxdy=1+x1−x1⋅dxd1+x1−x を考えることもできますが、絶対値の微分が必要になるため、場合分けが必要になり、上記の解き方と同様になります。
ただし、dxd(1+x1−x)=(1+x)2−1(1+x)−(1−x)(1)=(1+x)2−2 であることに注意すれば、絶対値を無視して計算して最後に絶対値をつけるという方法でも答えを得ることができます。