## 問題1

確率論・統計学統計的推測標本平均不偏推定量期待値分散正規分布
2025/5/13
## 問題1
半径 rr が未知の円 OO があります。半径を nn 回観測して、その結果を X1,X2,...,XnX_1, X_2, ..., X_n とし、これらは互いに独立で同一の正規分布 N(r,σ2)N(r, \sigma^2) に従うとします。ただし、σ2\sigma^2 は既知であるとします。X1,X2,...,XnX_1, X_2, ..., X_n の標本平均を Xˉ=1ni=1nXi\bar{X} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} X_i とおきます。
(1) E(Xˉ)E(\bar{X}), V(Xˉ)V(\bar{X}), E(Xˉ2)E(\bar{X}^2) を求めます。
(2) πXˉ2\pi \bar{X}^2 は円 OO の真の面積 πr2\pi r^2 の不偏推定量ではないことを示します (ヒント: E(πXˉ2)πr2E(\pi \bar{X}^2) \neq \pi r^2 であることを示す)。
(3) 円 OO の真の面積 πr2\pi r^2 の不偏推定量 S^\hat{S} を1つ作ります (ヒント: E(S^)=πr2E(\hat{S}) = \pi r^2 となるような S^\hat{S} を求める)。
## 解き方の手順
(1)
* E(Xˉ)E(\bar{X}): 標本平均の期待値は母平均に等しいので、E(Xˉ)=rE(\bar{X}) = r
* V(Xˉ)V(\bar{X}): 標本平均の分散は、母分散をサンプルサイズで割ったものなので、V(Xˉ)=σ2nV(\bar{X}) = \frac{\sigma^2}{n}
* E(Xˉ2)E(\bar{X}^2): Xˉ2\bar{X}^2 の期待値は、V(Xˉ)=E(Xˉ2)[E(Xˉ)]2V(\bar{X}) = E(\bar{X}^2) - [E(\bar{X})]^2 より、E(Xˉ2)=V(Xˉ)+[E(Xˉ)]2=σ2n+r2E(\bar{X}^2) = V(\bar{X}) + [E(\bar{X})]^2 = \frac{\sigma^2}{n} + r^2
(2)
E(πXˉ2)=πE(Xˉ2)=π(σ2n+r2)=πr2+πσ2nE(\pi \bar{X}^2) = \pi E(\bar{X}^2) = \pi \left( \frac{\sigma^2}{n} + r^2 \right) = \pi r^2 + \pi \frac{\sigma^2}{n}
πσ2n0\pi \frac{\sigma^2}{n} \neq 0 なので、E(πXˉ2)πr2E(\pi \bar{X}^2) \neq \pi r^2 となり、πXˉ2\pi \bar{X}^2πr2\pi r^2 の不偏推定量ではありません。
(3)
S^=πXˉ2πσ2n\hat{S} = \pi \bar{X}^2 - \pi \frac{\sigma^2}{n} を考えます。
E(S^)=E(πXˉ2πσ2n)=πE(Xˉ2)πσ2n=π(σ2n+r2)πσ2n=πr2E(\hat{S}) = E(\pi \bar{X}^2 - \pi \frac{\sigma^2}{n}) = \pi E(\bar{X}^2) - \pi \frac{\sigma^2}{n} = \pi \left( \frac{\sigma^2}{n} + r^2 \right) - \pi \frac{\sigma^2}{n} = \pi r^2
よって、S^\hat{S}πr2\pi r^2 の不偏推定量となります。
## 最終的な答え
(1) E(Xˉ)=rE(\bar{X}) = r, V(Xˉ)=σ2nV(\bar{X}) = \frac{\sigma^2}{n}, E(Xˉ2)=σ2n+r2E(\bar{X}^2) = \frac{\sigma^2}{n} + r^2
(2) πXˉ2\pi \bar{X}^2πr2\pi r^2 の不偏推定量ではない。
(3) S^=πXˉ2πσ2n\hat{S} = \pi \bar{X}^2 - \pi \frac{\sigma^2}{n}

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