与えられた微分方程式 $\frac{dy}{dx} + y = e^x y^2$ を解く問題です。これはベルヌーイ型微分方程式です。

解析学微分方程式ベルヌーイ型変数変換線形微分方程式
2025/5/14

1. 問題の内容

与えられた微分方程式 dydx+y=exy2\frac{dy}{dx} + y = e^x y^2 を解く問題です。これはベルヌーイ型微分方程式です。

2. 解き方の手順

この微分方程式はベルヌーイ型なので、以下の手順で解きます。
ステップ1: ベルヌーイ方程式の一般形に変形
ベルヌーイ方程式は dydx+P(x)y=Q(x)yn\frac{dy}{dx} + P(x)y = Q(x)y^n の形で表されます。与えられた方程式はすでにこの形になっており、P(x)=1P(x) = 1Q(x)=exQ(x) = e^xn=2n = 2 です。
ステップ2: 変数変換
z=y1nz = y^{1-n} という変数変換を行います。n=2n=2 なので、z=y12=y1z = y^{1-2} = y^{-1} です。したがって、y=z1y = z^{-1} です。
ステップ3: zz に関する微分方程式を導出
dydx=ddx(z1)=z2dzdx\frac{dy}{dx} = \frac{d}{dx}(z^{-1}) = -z^{-2}\frac{dz}{dx} となります。
これを元の微分方程式に代入すると、
z2dzdx+z1=ex(z1)2-z^{-2}\frac{dz}{dx} + z^{-1} = e^x (z^{-1})^2
z2dzdx+z1=exz2-z^{-2}\frac{dz}{dx} + z^{-1} = e^x z^{-2}
両辺に z2-z^2 をかけると、
dzdxz=ex\frac{dz}{dx} - z = -e^x
ステップ4: 線形微分方程式を解く
これは線形微分方程式 dzdx+P(x)z=Q(x)\frac{dz}{dx} + P(x)z = Q(x) の形になっています。P(x)=1P(x) = -1Q(x)=exQ(x) = -e^x です。
積分因子は I(x)=eP(x)dx=e1dx=exI(x) = e^{\int P(x) dx} = e^{\int -1 dx} = e^{-x} です。
両辺に積分因子をかけると、
exdzdxexz=e0=1e^{-x}\frac{dz}{dx} - e^{-x}z = -e^{0} = -1
ddx(exz)=1\frac{d}{dx}(e^{-x}z) = -1
両辺を積分すると、
ddx(exz)dx=1dx\int \frac{d}{dx}(e^{-x}z) dx = \int -1 dx
exz=x+Ce^{-x}z = -x + CCC は積分定数)
z=ex(x+C)z = e^x(-x + C)
ステップ5: yy を求める
z=y1z = y^{-1} なので、y=1zy = \frac{1}{z} です。したがって、
y=1ex(x+C)=exx+Cy = \frac{1}{e^x(-x + C)} = \frac{e^{-x}}{-x + C}

3. 最終的な答え

y=exCxy = \frac{e^{-x}}{C-x}

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