実数係数の多項式 $f(x) = x^n + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_1x + a_0$ が与えられているとき、複素数 $\alpha$ に対して $f(\alpha) = 0$ ならば $f(\overline{\alpha}) = 0$ であることを示す。ここで $\overline{\alpha}$ は $\alpha$ の複素共役を表す。

代数学多項式複素数複素共役代数学の基本定理
2025/5/14

1. 問題の内容

実数係数の多項式 f(x)=xn+an1xn1++a1x+a0f(x) = x^n + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_1x + a_0 が与えられているとき、複素数 α\alpha に対して f(α)=0f(\alpha) = 0 ならば f(α)=0f(\overline{\alpha}) = 0 であることを示す。ここで α\overline{\alpha}α\alpha の複素共役を表す。

2. 解き方の手順

まず、f(x)f(x)x=αx = \alpha を代入すると、
f(α)=αn+an1αn1++a1α+a0=0f(\alpha) = \alpha^n + a_{n-1}\alpha^{n-1} + \cdots + a_1\alpha + a_0 = 0
となる。
次に、この式の両辺の複素共役をとる。複素共役の性質として、複素数の和の共役はそれぞれの共役の和に等しく、複素数の積の共役はそれぞれの共役の積に等しい。また、実数の共役はそれ自身に等しい。したがって、
f(α)=αn+an1αn1++a1α+a0=αn+an1αn1++a1α+a0\overline{f(\alpha)} = \overline{\alpha^n + a_{n-1}\alpha^{n-1} + \cdots + a_1\alpha + a_0} = \overline{\alpha^n} + \overline{a_{n-1}\alpha^{n-1}} + \cdots + \overline{a_1\alpha} + \overline{a_0}
=αn+an1αn1++a1α+a0= \overline{\alpha}^n + \overline{a_{n-1}}\overline{\alpha}^{n-1} + \cdots + \overline{a_1}\overline{\alpha} + \overline{a_0}
ここで、aia_i は実数なので、ai=ai\overline{a_i} = a_i である。したがって、
f(α)=αn+an1αn1++a1α+a0=f(α)\overline{f(\alpha)} = \overline{\alpha}^n + a_{n-1}\overline{\alpha}^{n-1} + \cdots + a_1\overline{\alpha} + a_0 = f(\overline{\alpha})
また、f(α)=0f(\alpha) = 0 なので、f(α)=0=0\overline{f(\alpha)} = \overline{0} = 0 である。
したがって、f(α)=0f(\overline{\alpha}) = 0 が成り立つ。

3. 最終的な答え

f(α)=0f(\alpha) = 0 ならば f(α)=0f(\overline{\alpha}) = 0 である。

「代数学」の関連問題

与えられた方程式 $x - \frac{2x - 1}{3} = 5$ を解いて、$x$ の値を求めます。

一次方程式方程式の解法代数
2025/5/14

与えられた2次方程式 $2x^2 - 3x - 2 = 0$ の解を求める問題です。選択肢の中から正しい解を選びます。

二次方程式因数分解解の公式
2025/5/14

2次関数 $f(x) = x^2 - 6x - 3a + 18$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $y = f(x)$ のグラフの頂点の座標を求めます。 (2) $a \le x \l...

2次関数最大値最小値平方完成場合分け
2025/5/14

与えられた式 $x^3 - 6x^2y + 18xy^2 - 27y^3$ を因数分解せよ。

因数分解多項式
2025/5/14

与えられた複数の数の大小を比較し、不等号「<」を用いて小さい順に並べる問題です。具体的には、以下の6つの問題があります。 (1) $2^3, 2^{-1}, 2^{\frac{1}{2}}, 2^{-...

指数大小比較不等式累乗根
2025/5/14

与えられた式 $x^4 - 11x^2y^2 + y^4$ を因数分解します。

因数分解平方完成多項式
2025/5/14

与えられた式 $x^3 + \frac{1}{x^3}$ を計算する問題です。ただし、$x$ の値に関する情報が不足しているため、式を簡単に変形することに焦点を当てます。

式の変形因数分解展開
2025/5/14

与えられた実対称行列を直交行列で対角化する問題です。つまり、与えられた行列 $A$ に対して、直交行列 $P$ を見つけ、それを用いて $P^{-1}AP$ が対角行列になるようにすることです。

線形代数行列の対角化固有値固有ベクトル直交行列
2025/5/14

0でない実数 $a, b, c, d$ が $3^a = 5^b = 7^c = 105^d$ を満たすとき、$\frac{1}{a} + \frac{1}{b} + \frac{1}{c} = \f...

指数対数方程式
2025/5/14

与えられた式を因数分解する問題です。式は $2x^2 - y^2 + xy - 3x + 1$ です。

因数分解多項式
2025/5/14