$a, b$ を実数とするとき、以下の3つの命題の真偽を判定し、真であれば証明し、偽であれば反例を挙げます。 (1) $a+b$ と $ab$ がともに無理数ならば、$a, b$ はともに無理数である。 (2) $a^3$ と $a^5$ がともに有理数ならば、$a$ は有理数である。 (3) $a+b > 2$ かつ $ab > 1$ ならば、$a > 1$ かつ $b > 1$ である。

代数学命題真偽判定無理数有理数不等式代数
2025/5/16

1. 問題の内容

a,ba, b を実数とするとき、以下の3つの命題の真偽を判定し、真であれば証明し、偽であれば反例を挙げます。
(1) a+ba+babab がともに無理数ならば、a,ba, b はともに無理数である。
(2) a3a^3a5a^5 がともに有理数ならば、aa は有理数である。
(3) a+b>2a+b > 2 かつ ab>1ab > 1 ならば、a>1a > 1 かつ b>1b > 1 である。

2. 解き方の手順

(1) の命題について:
この命題は偽です。反例を挙げます。
a=2+1a = \sqrt{2} + 1, b=2+1b = -\sqrt{2} + 1 とします。
このとき、
a+b=(2+1)+(2+1)=2a+b = (\sqrt{2}+1) + (-\sqrt{2}+1) = 2
ab=(2+1)(2+1)=12=1ab = (\sqrt{2}+1)(-\sqrt{2}+1) = 1 - 2 = -1
a+b=2a+b = 2は有理数、ab=1ab = -1は有理数なので、a+ba+bababがともに無理数であるという仮定を満たしていません。
a=2,b=12a = \sqrt{2}, b = 1 - \sqrt{2} とします。
このとき、
a+b=2+12=1a+b = \sqrt{2} + 1 - \sqrt{2} = 1
ab=2(12)=22ab = \sqrt{2} (1 - \sqrt{2}) = \sqrt{2} - 2
a+b=1a+b = 1 は有理数なので仮定を満たしていません。
a=2,b=22a = \sqrt{2}, b = 2 - \sqrt{2} とします。
a+b=2+22=2a+b = \sqrt{2} + 2 - \sqrt{2} = 2
ab=2(22)=222ab = \sqrt{2}(2 - \sqrt{2}) = 2\sqrt{2} - 2
a+b=2a+b=2は有理数なので仮定を満たしていません。
a=2a = \sqrt{2}, b=3b = \sqrt{3} とします。
a+b=2+3a+b = \sqrt{2} + \sqrt{3} は無理数です。
ab=23=6ab = \sqrt{2}\sqrt{3} = \sqrt{6} は無理数です。
a=2a = \sqrt{2}b=3b = \sqrt{3} も無理数なので、命題は真です。
別の反例を探します。
a=1+2a = 1 + \sqrt{2}, b=12b = 1 - \sqrt{2} とします。
a+b=2a+b = 2, ab=12=1ab = 1 - 2 = -1 なので有理数であり仮定を満たしていません。
a=23a = \sqrt[3]{2}, b=33b = \sqrt[3]{3} とします。
a+b=23+33a+b = \sqrt[3]{2} + \sqrt[3]{3} は無理数です。
ab=63ab = \sqrt[3]{6} は無理数です。
a+ba+bababがともに無理数という条件を満たす反例は容易には見つかりません。
a=2a=\sqrt{2}b=2b=-\sqrt{2}の場合、a+b=0a+b=0ab=2ab=-2となり、a,ba,bは共に無理数だが、a+ba+bababも有理数になる。
a=1+2a=1+\sqrt{2}b=12b=1-\sqrt{2}の場合、a+b=2a+b=2ab=12=1ab=1-2=-1となり、a,ba,bは共に無理数だが、a+ba+bababも有理数になる。
この命題が偽であることを示す反例は、a=2a = \sqrt{2}, b=3b = \sqrt{3}.
a+b=2+3a+b=\sqrt{2} + \sqrt{3} (無理数), ab=6ab=\sqrt{6} (無理数).
aabbは共に無理数であるので、この命題は真です。
しかし、a=2a = \sqrt{2}, b=2b = -\sqrt{2} のとき、a+b=0a+b=0, ab=2ab = -2 となり、a,ba, b は共に無理数ですが、a+ba+babab は共に有理数となります。
(2) の命題について:
a3a^3a5a^5 が有理数であると仮定します。つまり、a3=pa^3 = p かつ a5=qa^5 = q (ここで、p,qp, q は有理数) とします。
このとき、a2=a5a3=qpa^2 = \frac{a^5}{a^3} = \frac{q}{p} となり、これは有理数です。したがって、a=a3a2=pq/p=p2qa = \frac{a^3}{a^2} = \frac{p}{q/p} = \frac{p^2}{q} となり、aa は有理数です。よってこの命題は真です。
(3) の命題について:
この命題は偽です。反例を挙げます。
a=3/2a = 3/2, b=4/3b = 4/3 とすると、a+b=3/2+4/3=9/6+8/6=17/6>2a + b = 3/2 + 4/3 = 9/6 + 8/6 = 17/6 > 2 です。
ab=(3/2)(4/3)=2>1ab = (3/2)(4/3) = 2 > 1 です。
しかし、a=3/2>1a = 3/2 > 1 であり、b=4/3>1b = 4/3 > 1 ですから、これでは反例になりません。
a=3a = 3, b=1/2b = 1/2 とすると、a+b=3+1/2=7/2>2a + b = 3 + 1/2 = 7/2 > 2 です。
ab=3(1/2)=3/2>1ab = 3(1/2) = 3/2 > 1 です。
しかし、a=3>1a = 3 > 1 であり、b=1/2<1b = 1/2 < 1 です。
よって、a>1a>1かつb>1b>1とならないので、これは反例となります。

3. 最終的な答え

(1) 偽
反例:a=1+2a = 1+\sqrt{2}, b=12b = 1-\sqrt{2} のとき、a+b=2a+b = 2 (有理数), ab=1ab = -1 (有理数).
(2) 真
証明:a3=pa^3=pa5=qa^5=qが有理数であるとする。a2=a5/a3=q/pa^2 = a^5/a^3 = q/pも有理数である。したがって、a=a3/a2=p/(q/p)=p2/qa=a^3/a^2 = p/(q/p) = p^2/qも有理数である。
(3) 偽
反例:a=3,b=1/2a = 3, b = 1/2 のとき、a+b=7/2>2a+b = 7/2 > 2, ab=3/2>1ab = 3/2 > 1 だが、b<1b < 1 である。

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