(1) 多項式 $P(x) = 2x^3 + 5x^2 - 3x - 7$ を3乗した $P(x)^3$ を、$Q(x) = x^2 + 2x - 3$ で割ったときの商と余りを求める。 (2) 多項式 $x^{2023} - 1$ を多項式 $x^4 + x^3 + x^2 + x + 1$ で割ったときの余りを求める。

1. 問題の内容

(1) 多項式 $P(x) = 2x^3 + 5x^2 - 3x - 7$ を3乗した $P(x)^3$ を、$Q(x) = x^2 + 2x - 3$ で割ったときの商と余りを求める。

(2) 多項式 $x^{2023} - 1$ を多項式 $x^4 + x^3 + x^2 + x + 1$ で割ったときの余りを求める。

2. 解き方の手順

(1)

まず、$Q(x) = x^2 + 2x - 3 = (x+3)(x-1)$ である。

$P(x)^3$ を $Q(x)$ で割ったときの商を $A(x)$、余りを $ax + b$ とすると、

$P(x)^3 = A(x)Q(x) + ax + b$ が成り立つ。

$x = 1$ を代入すると、

$P(1) = 2 + 5 - 3 - 7 = -3$

$P(1)^3 = (-3)^3 = -27$

$-27 = A(1) \cdot 0 + a + b$

$a + b = -27$

$x = -3$ を代入すると、

$P(-3) = 2(-27) + 5(9) - 3(-3) - 7 = -54 + 45 + 9 - 7 = -7$

$P(-3)^3 = (-7)^3 = -343$

$-343 = A(-3) \cdot 0 - 3a + b$

$-3a + b = -343$

連立方程式を解く。

$a + b = -27$

$-3a + b = -343$

引くと

$4a = 316$

$a = 79$

$b = -27 - 79 = -106$

したがって、余りは $79x - 106$

次に商を求める。

$P(x)^3 = (2x^3 + 5x^2 - 3x - 7)^3$ を展開するのは大変なので、

別の方法を用いる。

$P(x) = 2x^3 + 5x^2 - 3x - 7 = (2x+1)(x^2 + 2x - 3) + 2x - 4$

$P(x) = (2x+1)Q(x) + 2x - 4$

$P(x)^3 = [(2x+1)Q(x) + 2x - 4]^3 = (2x+1)^3Q(x)^3 + 3(2x+1)^2Q(x)^2(2x-4) + 3(2x+1)Q(x)(2x-4)^2 + (2x-4)^3$

$P(x)^3 = Q(x) * B(x) + (2x-4)^3$

ここで，$B(x)$は商のある多項式。

$(2x-4)^3 = 8x^3 - 48x^2 + 96x - 64$

$8x^3 - 48x^2 + 96x - 64 = 8x(x^2+2x-3)-16x^2+24x - 48x^2 + 96x - 64 = 8xQ(x) - 64x^2 + 120x - 64 = 8xQ(x) - 64(x^2+2x-3) + 128x - 192 + 120x - 64 = (8x-64)Q(x) + 248x - 256$

$248x - 256 = 79x - 106$とはならないので、上記方法では求めることができない。

(2)

$x^5 - 1 = (x-1)(x^4 + x^3 + x^2 + x + 1)$ なので、$x^5 \equiv 1 \pmod{x^4+x^3+x^2+x+1}$

$2023 = 5 \cdot 404 + 3$

$x^{2023} = x^{5 \cdot 404 + 3} = (x^5)^{404} x^3 \equiv 1^{404} x^3 \equiv x^3 \pmod{x^4+x^3+x^2+x+1}$

$x^{2023} - 1 \equiv x^3 - 1 \pmod{x^4+x^3+x^2+x+1}$

よって、余りは $x^3 - 1$

3. 最終的な答え

(1) 余り：$79x - 106$

(2) 余り：$x^3 - 1$