正の定数 $a$ に対し、不等式 $|2x-3| \geq a$ を考える。 (1) この不等式を解け。 (2) この不等式を満たす整数 $x$ がちょうど6個存在するような、$a$ の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

正の定数 $a$ に対し、不等式 $|2x-3| \geq a$ を考える。

(1) この不等式を解け。

(2) この不等式を満たす整数 $x$ がちょうど6個存在するような、$a$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 不等式 $|2x-3| \geq a$ を解く。絶対値の性質から、

$2x-3 \geq a$ または $2x-3 \leq -a$

それぞれの不等式を解くと、

$2x \geq a+3$ より $x \geq \frac{a+3}{2}$

$2x \leq -a+3$ より $x \leq \frac{-a+3}{2}$

したがって、不等式の解は $x \leq \frac{3-a}{2}$ または $x \geq \frac{3+a}{2}$ となる。

(2) 不等式を満たす整数 $x$ がちょうど6個存在するように $a$ の範囲を求める。

$x \leq \frac{3-a}{2}$ を満たす整数と、$x \geq \frac{3+a}{2}$ を満たす整数を考える。

$\frac{3-a}{2} < \frac{3+a}{2}$ である。不等式を満たす整数が6個であるためには、小さい方から3個、大きい方から3個となる必要がある。

$\frac{3-a}{2}$ の近くの整数を考える。$\frac{3-a}{2}$ 以下の整数が3個であるためには、その整数が連続している必要がある。同様に$\frac{3+a}{2}$以上の整数も連続している必要がある。

整数解が6個ということは、$x$ が小さい方から順に $n, n-1, n-2$ となり、$x$ が大きい方から順に $m, m+1, m+2$ となる。

ここで、$\frac{3-a}{2}$ は $n-1$ と $n$ の間になければならず、$\frac{3+a}{2}$ は $m+1$ と $m+2$ の間になければならない。

したがって、$n-1 < \frac{3-a}{2} \leq n$ かつ $m+1 \leq \frac{3+a}{2} < m+2$ が成り立つ。

ここで$m$と$n$の間には整数が２個しか存在しないので、$m=n$ となる。よって

$n-1 < \frac{3-a}{2} \leq n$ かつ $n+1 \leq \frac{3+a}{2} < n+2$

これらの不等式から、$a$ の範囲を求める。

$2n-2 < 3-a \leq 2n$ より $-2n \leq a-3 < -2n+2$

$3-2n \leq a < 5-2n$

$2n+2 \leq 3+a < 2n+4$ より $2n-1 \leq a < 2n+1$

これらを同時に満たす $a$ の範囲は

$3-2n \leq a < 2n+1$

$2n-1 \leq a < 5-2n$

より、$\max(3-2n, 2n-1) \leq a < \min(2n+1, 5-2n)$

ここで不等式を満たす整数が6個なので、$\frac{3+a}{2} - \frac{3-a}{2} = a$ がおおよそ3になる必要がある。

$3-2n = 2n-1$ とすると $4 = 4n$ より $n=1$

$2n+1 = 5-2n$ とすると $4n = 4$ より $n=1$

$n=1$ のとき、$1 \leq a < 3$

$\frac{3-a}{2}$ 以下の整数3個は $0, -1, -2$ となる。このとき、$\frac{3-a}{2}$ は $-1$ と $0$ の間である。

$\frac{3+a}{2}$ 以上の整数3個は $2, 3, 4$ となる。このとき、$\frac{3+a}{2}$ は $1$ と $2$ の間である。

従って，$a$ の範囲は $1 \leq a <3$ である。

$n=0$のとき、 $3-2n = 3$、$2n-1 = -1$、$2n+1=1$、$5-2n=5$ となり、 $-1 \leq a < 1$ かつ $3 \leq a < 5$となり、共通部分はない。

$n=2$のとき、$3-2n=-1$, $2n-1=3$、$2n+1=5$、$5-2n=1$ となり、$3 \leq a < 1$ かつ $-1 \leq a < 5$となり、共通部分はない。

よって、

$1 \leq a < 3$

3. 最終的な答え

$1 \leq a < 3$