$a$ を正の実数とする。関数 $f(\theta)$ が $f(\theta) = \sin 2\theta - 2a(\sin \theta + \cos \theta) + 2$ ($0 \le \theta < 2\pi$) で定義される。$t = \sin \theta + \cos \theta$ とおくとき、以下の問いに答えよ。 (1) $\theta$ が $0 \le \theta < 2\pi$ の範囲を変化するとき、$t$ のとり得る値の範囲を求めよ。 (2) $f(\theta)$ を $t$ を用いて表せ。 (3) 方程式 $|f(\theta)| = 1$ がちょうど 4 つの実数解をもつような $a$ の値の範囲を求めよ。

解析学三角関数最大値方程式解の個数数式処理
2025/5/18

1. 問題の内容

aa を正の実数とする。関数 f(θ)f(\theta)f(θ)=sin2θ2a(sinθ+cosθ)+2f(\theta) = \sin 2\theta - 2a(\sin \theta + \cos \theta) + 2 (0θ<2π0 \le \theta < 2\pi) で定義される。t=sinθ+cosθt = \sin \theta + \cos \theta とおくとき、以下の問いに答えよ。
(1) θ\theta0θ<2π0 \le \theta < 2\pi の範囲を変化するとき、tt のとり得る値の範囲を求めよ。
(2) f(θ)f(\theta)tt を用いて表せ。
(3) 方程式 f(θ)=1|f(\theta)| = 1 がちょうど 4 つの実数解をもつような aa の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) t=sinθ+cosθt = \sin \theta + \cos \theta を変形する。
t=sinθ+cosθ=2sin(θ+π4)t = \sin \theta + \cos \theta = \sqrt{2} \sin \left( \theta + \frac{\pi}{4} \right)
0θ<2π0 \le \theta < 2\pi より π4θ+π4<9π4\frac{\pi}{4} \le \theta + \frac{\pi}{4} < \frac{9\pi}{4}
したがって、1sin(θ+π4)1-1 \le \sin \left( \theta + \frac{\pi}{4} \right) \le 1
よって 2t2-\sqrt{2} \le t \le \sqrt{2}
(2) f(θ)f(\theta)tt を用いて表す。
t=sinθ+cosθt = \sin \theta + \cos \theta より t2=sin2θ+2sinθcosθ+cos2θ=1+2sinθcosθt^2 = \sin^2 \theta + 2 \sin \theta \cos \theta + \cos^2 \theta = 1 + 2 \sin \theta \cos \theta
sin2θ=2sinθcosθ=t21\sin 2\theta = 2 \sin \theta \cos \theta = t^2 - 1
したがって
f(θ)=sin2θ2a(sinθ+cosθ)+2=(t21)2at+2=t22at+1f(\theta) = \sin 2\theta - 2a (\sin \theta + \cos \theta) + 2 = (t^2 - 1) - 2at + 2 = t^2 - 2at + 1
(3) f(θ)=1|f(\theta)| = 1 より t22at+1=1|t^2 - 2at + 1| = 1
t22at+1=1t^2 - 2at + 1 = 1 または t22at+1=1t^2 - 2at + 1 = -1
t(t2a)=0t(t - 2a) = 0 または t22at+2=0t^2 - 2at + 2 = 0
t=0,2at = 0, 2a または t=a±a22t = a \pm \sqrt{a^2 - 2}
t=sinθ+cosθ=2sin(θ+π4)t = \sin \theta + \cos \theta = \sqrt{2} \sin \left( \theta + \frac{\pi}{4} \right) より、一つの tt の値に対応する θ\theta の個数を考える。
2t2-\sqrt{2} \le t \le \sqrt{2} において、
t=±2t = \pm \sqrt{2} のとき θ\theta は 1 つ
2<t<2-\sqrt{2} < t < \sqrt{2} のとき θ\theta は 2 つ
t=0t = 02<0<2-\sqrt{2} < 0 < \sqrt{2} を満たすので、θ\theta は 2 つ。
f(θ)=1|f(\theta)| = 1 がちょうど 4 つの実数解をもつためには、tt の解が異なり、002a2a のうち一つは 2<t<2-\sqrt{2} < t < \sqrt{2} の範囲にある必要がある。
(i) t=0t=0 の時
t=0t=0の時、aa22a-\sqrt{a^2-2}a+a22a+\sqrt{a^2-2}のどちらかが00の場合、ttの実数解の個数が3つになる。
よって、a22=0a^2 - 2 = 0, a=2a = \sqrt{2}
また、2a2a2<t<2-\sqrt{2} < t < \sqrt{2} を満たす場合、aa22a-\sqrt{a^2-2} または a+a22a+\sqrt{a^2-2}の少なくともどちらかは2<t<2-\sqrt{2} < t < \sqrt{2}を満たす必要がある。
aa22=2a - \sqrt{a^2-2} = -\sqrt{2}を解くとa=2a = \sqrt{2}となる。
a+a22=2a + \sqrt{a^2-2} = \sqrt{2}を解くとa=2a = \sqrt{2}となる。
(ii) t=2at = 2a の時
2a2a2<2a<2-\sqrt{2} < 2a < \sqrt{2} を満たす場合、t=2at=2aから実数解θ\thetaが2個出てくる。
つまり、22<a<22-\frac{\sqrt{2}}{2} < a < \frac{\sqrt{2}}{2}
しかし、a>0a > 0 であるから 0<a<220 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}.
そして、aa22a - \sqrt{a^2 - 2}a+a22a + \sqrt{a^2 - 2} からの解は、それぞれ a>2a > \sqrt{2} のとき実数解を持つので条件を満たさない。
最後に、t=0t=0t=2at=2aの両方が2<t<2-\sqrt{2} < t < \sqrt{2}の範囲にあることが必要なので、
0<2a<20 < 2a < \sqrt{2}, 0<a<220 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}
aa22a - \sqrt{a^2 - 2}a+a22a + \sqrt{a^2 - 2} のどちらか片方のみが 2<t<2-\sqrt{2} < t < \sqrt{2} を満たす場合を探す。
a>2a > \sqrt{2} を考えると、aa22a - \sqrt{a^2 - 2} は常に正の値を取る。
また、a>2a > \sqrt{2} において a+a22>2a + \sqrt{a^2 - 2} > \sqrt{2} となる。
よって、aa22<2a - \sqrt{a^2 - 2} < \sqrt{2} となるような aa の範囲を探す。
aa22>2a - \sqrt{a^2 - 2} > -\sqrt{2} となる aa の条件は常に成り立つ。
2<aa22<2-\sqrt{2} < a - \sqrt{a^2 - 2} < \sqrt{2}t=2at = 2at=0t=0 の場合に当てはめると、
22<a<22-\frac{\sqrt{2}}{2} < a < \frac{\sqrt{2}}{2} となり、0<a<220 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}
0<a<220 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}のとき、t=0,2at = 0, 2a から θ\theta は 4 個
a=2a = \sqrt{2}のとき、t=0,22t = 0, 2\sqrt{2} となり 22>22\sqrt{2} > \sqrt{2}であるため、t=0t=0のみが条件を満たす。
f(a)=0f(a)=0の条件よりa=±21a = \pm \sqrt{\sqrt{2}-1}

3. 最終的な答え

0<a<220 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}

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