1から5までの数字が書かれた5つの玉が入った袋から、玉を1つ取り出し、数字を記録して袋に戻すという試行を$n$回繰り返す。$n$回の試行で得られた数の和が3の倍数となる確率を$p_n$とする。 (1) $p_1$を求める。 (2) $p_{n+1}$を$p_n$で表す。 (3) $p_n$を$n$で表す。

確率論・統計学確率確率分布漸化式
2025/5/18

1. 問題の内容

1から5までの数字が書かれた5つの玉が入った袋から、玉を1つ取り出し、数字を記録して袋に戻すという試行をnn回繰り返す。nn回の試行で得られた数の和が3の倍数となる確率をpnp_nとする。
(1) p1p_1を求める。
(2) pn+1p_{n+1}pnp_nで表す。
(3) pnp_nnnで表す。

2. 解き方の手順

(1) p1p_1について。
1回の試行で和が3の倍数になるのは、3を取り出す場合のみなので、
p1=15p_1 = \frac{1}{5}
(2) pn+1p_{n+1}について。
n+1n+1回の試行で和が3の倍数になるのは、以下の2つの場合がある。
(i) nn回の試行で和が3の倍数であり、n+1n+1回目の試行で3の倍数である数字が出る場合。
(ii) nn回の試行で和が3の倍数でなく、n+1n+1回目の試行でそれまでの和と合わせて3の倍数となる数字が出る場合。
nn回の試行で和が3の倍数でない確率は、1pn1 - p_nである。
n+1n+1回目の試行で出る数字が、3の倍数になる確率は15\frac{1}{5}である。
n+1n+1回目の試行で出る数字が、それまでの和と合わせて3の倍数になる確率は25\frac{2}{5}である。これは、1,2,4,5のいずれかの場合に、それぞれ2,1,5,4が出れば良いので、確率は25\frac{2}{5}となる。
したがって、
pn+1=pn15+(1pn)25=15pn+2525pn=15pn+25p_{n+1} = p_n \cdot \frac{1}{5} + (1-p_n) \cdot \frac{2}{5} = \frac{1}{5}p_n + \frac{2}{5} - \frac{2}{5}p_n = -\frac{1}{5}p_n + \frac{2}{5}
(3) pnp_nについて。
pn+1=15pn+25p_{n+1} = -\frac{1}{5}p_n + \frac{2}{5}
pn+113=15(pn13)p_{n+1} - \frac{1}{3} = -\frac{1}{5}(p_n - \frac{1}{3})
pn13=(p113)(15)n1p_n - \frac{1}{3} = (p_1 - \frac{1}{3})(-\frac{1}{5})^{n-1}
pn=(p113)(15)n1+13p_n = (p_1 - \frac{1}{3})(-\frac{1}{5})^{n-1} + \frac{1}{3}
pn=(1513)(15)n1+13p_n = (\frac{1}{5} - \frac{1}{3})(-\frac{1}{5})^{n-1} + \frac{1}{3}
pn=(215)(15)n1+13p_n = (-\frac{2}{15})(-\frac{1}{5})^{n-1} + \frac{1}{3}
pn=(23)(15)n+13=23(15)n+13p_n = (-\frac{2}{3})(-\frac{1}{5})^n + \frac{1}{3} = \frac{2}{3}(-\frac{1}{5})^n + \frac{1}{3}

3. 最終的な答え

(1) p1=15p_1 = \frac{1}{5}
(2) pn+1=15pn+25p_{n+1} = -\frac{1}{5}p_n + \frac{2}{5}
(3) pn=23(15)n+13p_n = \frac{2}{3}(-\frac{1}{5})^n + \frac{1}{3}

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