ある高校の生徒全員について、3種類の本A, B, Cを持っているかどうかを調査した結果、Aを持っていない生徒が62人、Bを持っていない生徒が58人、Cを持っていない生徒が72人であった。また、A, B, Cのうちちょうど1種類持っている生徒が46人、2種類持っている生徒が40人、3種類持っている生徒が17人であった。 (1) 生徒の総数を求めよ。 (2) Aのみを所持している生徒の人数について、考えられる最小値と最大値を求めよ。

確率論・統計学集合包含と排除場合の数
2025/5/19

1. 問題の内容

ある高校の生徒全員について、3種類の本A, B, Cを持っているかどうかを調査した結果、Aを持っていない生徒が62人、Bを持っていない生徒が58人、Cを持っていない生徒が72人であった。また、A, B, Cのうちちょうど1種類持っている生徒が46人、2種類持っている生徒が40人、3種類持っている生徒が17人であった。
(1) 生徒の総数を求めよ。
(2) Aのみを所持している生徒の人数について、考えられる最小値と最大値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 生徒の総数を求める。
まず、生徒の総数を NN とする。Aを持っている生徒の数を n(A)n(A)、Bを持っている生徒の数を n(B)n(B)、Cを持っている生徒の数を n(C)n(C)とする。
与えられた条件より、
n(Ac)=62n(A^c) = 62
n(Bc)=58n(B^c) = 58
n(Cc)=72n(C^c) = 72
ここで、Ac,Bc,CcA^c, B^c, C^c はそれぞれA, B, Cを持っていない生徒の集合を表す。
また、
1種類だけ持っている人数は46人
2種類だけ持っている人数は40人
3種類持っている人数は17人
n(Ac)+n(Bc)+n(Cc)=62+58+72=192n(A^c) + n(B^c) + n(C^c) = 62 + 58 + 72 = 192
これは、
Nn(A)+Nn(B)+Nn(C)=3N(n(A)+n(B)+n(C))N - n(A) + N - n(B) + N - n(C) = 3N - (n(A) + n(B) + n(C))
したがって、 3N(n(A)+n(B)+n(C))=1923N - (n(A) + n(B) + n(C)) = 192
1種類だけ持っている人数を xx、2種類だけ持っている人数を yy、3種類持っている人数を zzとすると、
x=46x = 46
y=40y = 40
z=17z = 17
n(A)+n(B)+n(C)=x+2y+3z=46+2(40)+3(17)=46+80+51=177n(A) + n(B) + n(C) = x + 2y + 3z = 46 + 2(40) + 3(17) = 46 + 80 + 51 = 177
3N177=1923N - 177 = 192
3N=192+177=3693N = 192 + 177 = 369
N=369/3=123N = 369 / 3 = 123
(2) Aのみを所持している生徒の人数について考える。
Aのみを持っている生徒の数を n(ABcCc)n(A \cap B^c \cap C^c)とする。
Bのみを持っている生徒の数を n(BAcCc)n(B \cap A^c \cap C^c)とする。
Cのみを持っている生徒の数を n(CAcBc)n(C \cap A^c \cap B^c)とする。
n(ABcCc)+n(BAcCc)+n(CAcBc)=46n(A \cap B^c \cap C^c) + n(B \cap A^c \cap C^c) + n(C \cap A^c \cap B^c) = 46
A, Bのみを持っている生徒の数を aaとする。
B, Cのみを持っている生徒の数を bbとする。
A, Cのみを持っている生徒の数を ccとする。
a+b+c=40a + b + c = 40
A, B, C 全て持っている生徒の数を ddとすると、d=17d = 17
n(A)=n(ABcCc)+a+c+dn(A) = n(A \cap B^c \cap C^c) + a + c + d
n(B)=n(BAcCc)+a+b+dn(B) = n(B \cap A^c \cap C^c) + a + b + d
n(C)=n(CAcBc)+b+c+dn(C) = n(C \cap A^c \cap B^c) + b + c + d
n(A)=12362=61n(A) = 123 - 62 = 61
n(B)=12358=65n(B) = 123 - 58 = 65
n(C)=12372=51n(C) = 123 - 72 = 51
n(ABcCc)=n(A)acd=61ac17=44acn(A \cap B^c \cap C^c) = n(A) - a - c - d = 61 - a - c - 17 = 44 - a - c
n(BAcCc)=n(B)abd=65ab17=48abn(B \cap A^c \cap C^c) = n(B) - a - b - d = 65 - a - b - 17 = 48 - a - b
n(CAcBc)=n(C)bcd=51bc17=34bcn(C \cap A^c \cap B^c) = n(C) - b - c - d = 51 - b - c - 17 = 34 - b - c
n(ABcCc)+n(BAcCc)+n(CAcBc)=(44ac)+(48ab)+(34bc)=46n(A \cap B^c \cap C^c) + n(B \cap A^c \cap C^c) + n(C \cap A^c \cap B^c) = (44 - a - c) + (48 - a - b) + (34 - b - c) = 46
1262(a+b+c)=46126 - 2(a + b + c) = 46
2(a+b+c)=12646=802(a + b + c) = 126 - 46 = 80
a+b+c=40a + b + c = 40
Aのみを所持している生徒の最小値は、 n(ABcCc)n(A \cap B^c \cap C^c)が最小となるとき。
a+ca+c が最大となるとき、a+c=40ba + c = 40 - b
bb が最小値0の時、a+c=40a+c = 40
n(ABcCc)=44ac=4440=4n(A \cap B^c \cap C^c) = 44 - a - c = 44 - 40 = 4
Aのみを所持している生徒の最大値は、n(ABcCc)n(A \cap B^c \cap C^c)が最大となるとき。
a+ca+c が最小となるとき、a+c=40ba+c = 40 - b
bb が最大値40の時、a+c=0a+c = 0
n(ABcCc)=44ac=440=44n(A \cap B^c \cap C^c) = 44 - a - c = 44 - 0 = 44

3. 最終的な答え

(1) 生徒の総数: 123人
(2) Aのみを所持している生徒の人数: 最小値 4人, 最大値 44人

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