水平面より30°傾いているなめらかな斜面上に質量$m$ [kg]の物体を置き、一つの力を加えて物体が滑り出さないようにする。以下の2つの場合について、物体に働く力のベクトルを図に記入し、各力の大きさを求める。重力加速度の大きさを$g$ [m/s$^2$]とする。 (1) 斜面に平行な方向に力を加えたとき (2) 水平方向に力を加えたとき

応用数学力学ベクトル三角関数力のつり合い
2025/5/19

1. 問題の内容

水平面より30°傾いているなめらかな斜面上に質量mm [kg]の物体を置き、一つの力を加えて物体が滑り出さないようにする。以下の2つの場合について、物体に働く力のベクトルを図に記入し、各力の大きさを求める。重力加速度の大きさをgg [m/s2^2]とする。
(1) 斜面に平行な方向に力を加えたとき
(2) 水平方向に力を加えたとき

2. 解き方の手順

(1) 斜面に平行な方向に力を加えたとき
物体に働く力は、重力、垂直抗力、そして加えられた力である。
重力は鉛直下向きにmgmg、垂直抗力は斜面に垂直上向き、加えられた力は斜面に平行上向きである。
斜面に平行な方向の力のつり合いを考えると、
Fmgsin30=0F - mg \sin{30^\circ} = 0
したがって、F=mgsin30=12mgF = mg \sin{30^\circ} = \frac{1}{2} mg
斜面に垂直な方向の力のつり合いを考えると、
Nmgcos30=0N - mg \cos{30^\circ} = 0
したがって、N=mgcos30=32mgN = mg \cos{30^\circ} = \frac{\sqrt{3}}{2} mg
(2) 水平方向に力を加えたとき
物体に働く力は、重力、垂直抗力、そして加えられた力である。
重力は鉛直下向きにmgmg、垂直抗力は斜面に垂直上向き、加えられた力は水平方向である。
斜面に平行な方向の力のつり合いを考えると、
Fcos30mgsin30=0F \cos{30^\circ} - mg \sin{30^\circ} = 0
したがって、F=mgsin30cos30=mg3=33mgF = \frac{mg \sin{30^\circ}}{\cos{30^\circ}} = \frac{mg}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3} mg
斜面に垂直な方向の力のつり合いを考えると、
Nmgcos30Fsin30=0N - mg \cos{30^\circ} - F \sin{30^\circ} = 0
したがって、N=mgcos30+Fsin30=mg32+33mg12=32mg+36mg=436mg=233mgN = mg \cos{30^\circ} + F \sin{30^\circ} = mg \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{\sqrt{3}}{3} mg \frac{1}{2} = \frac{\sqrt{3}}{2} mg + \frac{\sqrt{3}}{6} mg = \frac{4\sqrt{3}}{6} mg = \frac{2\sqrt{3}}{3} mg

3. 最終的な答え

(1) 斜面に平行な方向に力を加えたとき
加えられた力の大きさ: F=12mgF = \frac{1}{2} mg
垂直抗力の大きさ: N=32mgN = \frac{\sqrt{3}}{2} mg
(2) 水平方向に力を加えたとき
加えられた力の大きさ: F=33mgF = \frac{\sqrt{3}}{3} mg
垂直抗力の大きさ: N=233mgN = \frac{2\sqrt{3}}{3} mg

「応用数学」の関連問題

長さ $l$ の弦が張力 $S$ で張られている。弦の一端から $x$ の位置に質量 $m$ のおもりをつけ、水平面内で糸に垂直な方向に微小振動させた。このときの周期を $x$ の関数として求める。 ...

力学振動微分方程式物理
2025/6/2

長さ $l$ の弦が張力 $S$ で張られています。弦の一端から $x$ の位置に質量 $m$ のおもりをつけて、水平面内で糸に垂直な方向に微小振動させたときの周期 $T$ を $x$ の関数として求...

力学振動微分方程式単振動物理
2025/6/2

与えられた例を参考に、(1)から(4)の酸の水溶液のpHを求める問題です。pHは水素イオン濃度[H+]を用いて、$pH = -log_{10}[H^+]$と表されます。水素イオン濃度が $1 \tim...

pH対数化学酸・塩基水素イオン濃度電離度
2025/6/2

断面積が変化する配管があり、断面①から水が $u_1 = 7 \text{ m/s}$ の速度で噴出している。配管途中の断面②の半径は $30 \text{ mm}$ で、流速は $u_2 = 4 \...

流体力学連続の式物理計算
2025/6/2

断面が滑らかに拡大している配管があり、流量 $Q = 9.2 \, \text{l/min}$ である。断面1, 2, 3 の直径はそれぞれ $50 \, \text{mm}$, $70 \, \te...

流体力学流量流速断面積円の面積単位変換
2025/6/2

図3に示すマノメータにおいて、タンクAとB内の圧力 $p_A$ と $p_B$ の差 $p_A - p_B$ を、水の密度 $\rho$、水銀の密度 $\rho_g$、重力加速度 $g$、高さ $H$...

流体力学圧力物理マノメータ計算
2025/6/2

図1のようなマノメータにおいて、配管の図に示す位置での圧力 $p$ を求めます。水の密度 $\rho_w = 1000 \, \text{kg/m}^3$、水銀の密度 $\rho_{Hg} = 136...

圧力流体力学マノメータ物理
2025/6/2

図に示すようなマノメータにおいて、配管内の圧力 $P_A$ を求める問題です。与えられている値は、水の密度 $\rho_w = 1000 \, \text{kg/m}^3$、水銀の密度 $\rho_{...

流体圧力マノメータ物理
2025/6/2

1. ベクトル場 $\mathbf{A} = (x^2, 2, z)$ に対して、原点を中心とする半径 $a$ の球面 $S$ 上での面積分 $\oint_S \mathbf{A} \cdot d\...

ベクトル解析面積分ガウスの発散定理球面座標
2025/6/2

問題1は、ベクトル場 $\mathbf{A} = (x^2, 2, z)$ の閉曲面 $S$ 上の面積分 $\oint_S \mathbf{A} \cdot d\mathbf{S}$ を求める問題です...

ベクトル解析面積分ガウスの発散定理球面座標多重積分
2025/6/2