それぞれの問題について、以下に解き方の手順を説明します。
問題1:ベクトル A=(10,5,2)、B=(3,4,0) に関して (1) A を B 方向とそれに垂直な方向に分解したときの B 方向のベクトルを求めます。これは A の B への正射影ベクトル A∥ です。 正射影ベクトル A∥ は次の式で求められます。 A∥=∥B∥2A⋅BB A⋅B=(10)(3)+(5)(4)+(2)(0)=30+20+0=50 ∥B∥2=32+42+02=9+16=25 A∥=2550B=2B=2(3,4,0)=(6,8,0) (2) A を B 方向とそれに垂直な方向に分解したときの B に垂直な方向のベクトルを求めます。これは A から A∥ を引いたベクトル A⊥ です。 A⊥=A−A∥=(10,5,2)−(6,8,0)=(4,−3,2) (3) A と B に垂直な単位ベクトルを求めます。これは A と B の外積を計算し、その結果を正規化することで求められます。 外積 A×B は次のようになります。 A×B=i103j54k20=(5(0)−2(4))i−(10(0)−2(3))j+(10(4)−5(3))k=−8i+6j+25k=(−8,6,25) ∥A×B∥=(−8)2+62+252=64+36+625=725=529 したがって、単位ベクトル n^ は次のようになります。 n^=∥A×B∥A×B=529(−8,6,25)=(−5298,5296,52925)=(−145829,145629,29529) 問題2:4点 P(-1, 1, 3), A(2, 6, 1), B(3, 0, -1), C(1, 2, 7) を頂点とする四面体の体積を求めます。
V=61∣(PA×PB)⋅PC∣ PA=(2−(−1),6−1,1−3)=(3,5,−2) PB=(3−(−1),0−1,−1−3)=(4,−1,−4) PC=(1−(−1),2−1,7−3)=(2,1,4) PA×PB=i34j5−1k−2−4=(5(−4)−(−2)(−1))i−(3(−4)−(−2)(4))j+(3(−1)−5(4))k=(−20−2)i−(−12+8)j+(−3−20)k=(−22,4,−23) (PA×PB)⋅PC=(−22)(2)+(4)(1)+(−23)(4)=−44+4−92=−132 V=61∣−132∣=6132=22 問題3:質量 m の物体の位置ベクトル r=(r0cosωt,r0sinωt,v0t) について (1) 速度 v および加速度 a を求めます。 速度 v=dtdr=(−r0ωsinωt,r0ωcosωt,v0) 加速度 a=dtdv=(−r0ω2cosωt,−r0ω2sinωt,0) (2) r⋅v がなす角 θ を求めます。 r⋅v=(r0cosωt)(−r0ωsinωt)+(r0sinωt)(r0ωcosωt)+(v0t)(v0)=−r02ωcosωtsinωt+r02ωsinωtcosωt+v02t=v02t cosθ=∥r∥∥v∥r⋅v=r02cos2ωt+r02sin2ωt+v02t2r02ω2sin2ωt+r02ω2cos2ωt+v02v02t=r02+v02t2r02ω2+v02v02t θ=arccos(r02+v02t2r02ω2+v02v02t) K=21m∥v∥2=21m(r02ω2sin2ωt+r02ω2cos2ωt+v02)=21m(r02ω2+v02) (4) 運動の様子を図示せよ。
螺旋運動。xy平面上では円運動を行い、z軸方向には等速運動を行う。
問題4:電場 E および磁束密度 B の空間中を速度 v で移動する荷電粒子の運動方程式 与えられた運動方程式 mdtdv=q(E+v×B) と v=w+B2E×B を用いて、w についての運動方程式を求めます。 まず、dtdv=dtdw となります。なぜなら E と B は時間的に一定であると仮定するからです。 したがって、mdtdw=q(E+(w+B2E×B)×B)=q(E+w×B+B2(E×B)×B) ここで、ベクトル三重積の公式 (a×b)×c=(a⋅c)b−(b⋅c)a を用いると、 (E×B)×B=(E⋅B)B−(B⋅B)E E と B が直交する条件より、E⋅B=0 であるため、 (E×B)×B=−B2E となります。 したがって、mdtdw=q(E+w×B+B2−B2E)=q(E+w×B−E)=q(w×B)