## 1. 問題の内容

応用数学経済学需要曲線供給曲線消費者余剰生産者余剰均衡価格
2025/5/20
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1. 問題の内容

ある市場における需要曲線と供給曲線が与えられています。
需要曲線:D=p+40D = -p + 40
供給曲線:S=2p20S = 2p - 20
以下の2つの問題を解きます。

1. 消費者余剰、生産者余剰、および市場の総余剰を求めます。

2. 市場価格が現在より10上昇した場合の、消費者余剰、生産者余剰、および市場の総余剰の変化量を求めます。

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2. 解き方の手順

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1. 消費者余剰、生産者余剰、総余剰の計算

1. **均衡価格と均衡取引量を求める:**

需要曲線と供給曲線を連立させて解きます。
D=SD = S より、
p+40=2p20-p + 40 = 2p - 20
3p=603p = 60
p=20p = 20
これを需要曲線(または供給曲線)に代入して、
D=20+40=20D = -20 + 40 = 20
したがって、均衡価格はp=20p = 20、均衡取引量はD=S=20D = S = 20です。

2. **需要曲線の切片(縦軸)を求める:**

需要曲線 D=p+40D = -p + 40pp について解くと、p=40Dp = 40 - D となります。
D=0D = 0 のとき、p=40p = 40 となります。これは、消費者が購入を止める最高の価格を示しています。

3. **供給曲線の切片(縦軸)を求める:**

供給曲線 S=2p20S = 2p - 20pp について解くと、p=(S+20)/2p = (S+20)/2 となります。
S=0S = 0 のとき、p=10p = 10 となります。これは、生産者が供給を始める最低の価格を示しています。

4. **消費者余剰を計算:**

消費者余剰は、消費者が支払ってもよいと考えていた価格と実際に支払った価格の差の合計です。
これは、需要曲線と均衡価格の間の三角形の面積として計算できます。
消費者余剰 = 12×(4020)×20=12×20×20=200\frac{1}{2} \times (40 - 20) \times 20 = \frac{1}{2} \times 20 \times 20 = 200

5. **生産者余剰を計算:**

生産者余剰は、生産者が受け取ってもよいと考えていた価格と実際に受け取った価格の差の合計です。
これは、供給曲線と均衡価格の間の三角形の面積として計算できます。
生産者余剰 = 12×(2010)×20=12×10×20=100\frac{1}{2} \times (20 - 10) \times 20 = \frac{1}{2} \times 10 \times 20 = 100

6. **総余剰を計算:**

総余剰は、消費者余剰と生産者余剰の合計です。
総余剰 = 消費者余剰 + 生産者余剰 = 200+100=300200 + 100 = 300
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2. 市場価格が10上昇した場合の余剰の変化

1. **新しい価格を計算:**

市場価格が10上昇すると、新しい価格はp=20+10=30p' = 20 + 10 = 30となります。

2. **新しい均衡取引量を計算:**

新しい価格p=30p' = 30を需要曲線に代入して、新しい均衡取引量を求めます。
D=30+40=10D' = -30 + 40 = 10

3. **新しい消費者余剰を計算:**

新しい消費者余剰 = 12×(4030)×10=12×10×10=50\frac{1}{2} \times (40 - 30) \times 10 = \frac{1}{2} \times 10 \times 10 = 50

4. **新しい生産者余剰を計算:**

供給曲線から価格が30の時の生産量を求めます。
S=2(30)20=40S = 2(30)-20 = 40
ただし取引量は需要曲線で制限されるためS=10S'=10です。
新しい生産者余剰を求めるには、価格10から30までの供給曲線の面積を計算する必要があります。
これは台形と見なせます。
新しい生産者余剰 = (3010)×1012×10×10=20050=150(30-10) \times 10 - \frac{1}{2} \times 10 \times 10 = 200 - 50 = 150

5. **新しい総余剰を計算:**

新しい総余剰 = 新しい消費者余剰 + 新しい生産者余剰 = 50+150=20050 + 150 = 200

6. **余剰の変化量を計算:**

* 消費者余剰の変化 = 新しい消費者余剰 - 元の消費者余剰 = 50200=15050 - 200 = -150
* 生産者余剰の変化 = 新しい生産者余剰 - 元の生産者余剰 = 150100=50150 - 100 = 50
* 総余剰の変化 = 新しい総余剰 - 元の総余剰 = 200300=100200 - 300 = -100
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3. 最終的な答え

1. **現在の市場における余剰:**

* 消費者余剰: 200
* 生産者余剰: 100
* 総余剰: 300

2. **市場価格が10上昇した場合の余剰の変化:**

* 消費者余剰の変化: -150
* 生産者余剰の変化: 50
* 総余剰の変化: -100

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