ばね定数 $k$ のばねに質量 $m$ の物体がつながり、滑らかな水平面上を運動する。物体には復元力と粘性抵抗力が働く。$\omega_0 = \sqrt{\frac{k}{m}}$ かつ $\kappa = \frac{\gamma}{2m}$ とし、$\omega_0 = \kappa$ の時、ばねの自然長からの変位 $x(t)$ の一般解が $x(t) = (at + b)e^{-\omega_0 t}$ ($a, b$: 任意定数) で与えられる。初期条件 $x(0) = 0$, $\dot{x}(0) = V_0 > 0$ を満たす特殊解を求め、その $t$ の関数としてのグラフを描く。

応用数学微分方程式力学単振動減衰振動初期条件
2025/6/16

1. 問題の内容

ばね定数 kk のばねに質量 mm の物体がつながり、滑らかな水平面上を運動する。物体には復元力と粘性抵抗力が働く。ω0=km\omega_0 = \sqrt{\frac{k}{m}} かつ κ=γ2m\kappa = \frac{\gamma}{2m} とし、ω0=κ\omega_0 = \kappa の時、ばねの自然長からの変位 x(t)x(t) の一般解が x(t)=(at+b)eω0tx(t) = (at + b)e^{-\omega_0 t} (a,ba, b: 任意定数) で与えられる。初期条件 x(0)=0x(0) = 0, x˙(0)=V0>0\dot{x}(0) = V_0 > 0 を満たす特殊解を求め、その tt の関数としてのグラフを描く。

2. 解き方の手順

まず、与えられた一般解 x(t)x(t) に初期条件を適用して、定数 aabb を決定する。
x(t)=(at+b)eω0tx(t) = (at + b)e^{-\omega_0 t}
x(0)=0x(0) = 0 を適用する:
x(0)=(a0+b)eω00=be0=b=0x(0) = (a \cdot 0 + b)e^{-\omega_0 \cdot 0} = b \cdot e^0 = b = 0
したがって、b=0b = 0 なので、x(t)=ateω0tx(t) = ate^{-\omega_0 t} となる。
次に、速度 x˙(t)\dot{x}(t) を計算する:
x˙(t)=ddt(ateω0t)=aeω0t+at(ω0)eω0t=aeω0taω0teω0t=aeω0t(1ω0t)\dot{x}(t) = \frac{d}{dt}(ate^{-\omega_0 t}) = a e^{-\omega_0 t} + at (-\omega_0) e^{-\omega_0 t} = a e^{-\omega_0 t} - a \omega_0 t e^{-\omega_0 t} = a e^{-\omega_0 t}(1 - \omega_0 t)
x˙(0)=V0\dot{x}(0) = V_0 を適用する:
x˙(0)=aeω00(1ω00)=ae0(10)=a11=a=V0\dot{x}(0) = a e^{-\omega_0 \cdot 0}(1 - \omega_0 \cdot 0) = a e^0 (1 - 0) = a \cdot 1 \cdot 1 = a = V_0
したがって、a=V0a = V_0 となる。
したがって、特殊解は x(t)=V0teω0tx(t) = V_0 t e^{-\omega_0 t} となる。
グラフについて:
x(t)=V0teω0tx(t) = V_0 t e^{-\omega_0 t} のグラフを考える。
* t=0t = 0x(0)=0x(0) = 0
* tt \to \inftyx(t)0x(t) \to 0 (指数関数の方が速く減衰する)
* x(t)=V0(eω0tω0teω0t)=V0eω0t(1ω0t)x'(t) = V_0 (e^{-\omega_0 t} - \omega_0 t e^{-\omega_0 t}) = V_0 e^{-\omega_0 t}(1 - \omega_0 t)
* x(t)=0x'(t) = 0 となるのは、1ω0t=01 - \omega_0 t = 0 のとき、つまり t=1ω0t = \frac{1}{\omega_0}
t=1ω0t = \frac{1}{\omega_0} で最大値をとる。
x(1ω0)=V01ω0eω01ω0=V0ω0e1=V0eω0x(\frac{1}{\omega_0}) = V_0 \frac{1}{\omega_0} e^{-\omega_0 \frac{1}{\omega_0}} = \frac{V_0}{\omega_0} e^{-1} = \frac{V_0}{e \omega_0}
グラフは原点から始まり、最初は正の方向に増加し、t=1ω0t = \frac{1}{\omega_0} で最大値 V0eω0\frac{V_0}{e \omega_0} をとり、その後は減少して tt \to \infty で 0 に近づく。

3. 最終的な答え

特殊解は、
x(t)=V0teω0tx(t) = V_0 t e^{-\omega_0 t}
グラフについては上記の通り。

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