N回巻きの長方形コイルKLMNが、磁束密度Bの一様な磁場の中で角速度ωで回転する。時刻tにおけるコイルを貫く磁束Φ、発生する交流起電力V、抵抗Rにおける消費電力Pをそれぞれ求め、さらに交流起電力の最大値V₀と実効値Vₑ、平均消費電力Pを求めよ。

応用数学電磁気学交流磁束起電力消費電力実効値微分
2025/6/17

1. 問題の内容

N回巻きの長方形コイルKLMNが、磁束密度Bの一様な磁場の中で角速度ωで回転する。時刻tにおけるコイルを貫く磁束Φ、発生する交流起電力V、抵抗Rにおける消費電力Pをそれぞれ求め、さらに交流起電力の最大値V₀と実効値Vₑ、平均消費電力Pを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 時刻tにおける磁束Φを求める。
コイル面の法線ベクトルをab方向にとり、磁束がa→bの向きに貫くときΦ>0、b→aの向きに貫くときΦ<0とする。
時刻t=0で面KLMNが磁場に垂直なので、時刻tにおけるコイル面の法線と磁場のなす角はωtとなる。したがって、コイルを貫く磁束Φは、コイルの面積S、磁束密度Bを用いて、
Φ=NBScos(ωt)\Phi = NBS \cos(\omega t)
(2) 交流起電力Vを求める。
ファラデーの電磁誘導の法則より、起電力Vは磁束の時間変化に比例する。
V=dΦdt=ddt(NBScos(ωt))=NBSωsin(ωt)V = - \frac{d\Phi}{dt} = - \frac{d}{dt} (NBS \cos(\omega t)) = NBS \omega \sin(\omega t)
交流起電力の最大値V₀は、V=NBSωsin(ωt)V = NBS \omega \sin(\omega t)の最大値なので、
V0=NBSωV_0 = NBS \omega
実効値Vₑは、
Ve=V02=NBSω2V_e = \frac{V_0}{\sqrt{2}} = \frac{NBS \omega}{\sqrt{2}}
(3) 抵抗における消費電力Pを求める。
抵抗Rに加わる電圧はVなので、消費電力Pは、
P=V2R=(NBSωsin(ωt))2R=V02sin2(ωt)RP = \frac{V^2}{R} = \frac{(NBS \omega \sin(\omega t))^2}{R} = \frac{V_0^2 \sin^2(\omega t)}{R}
平均消費電力Pは、sin2(ωt)\sin^2(\omega t)の1周期における平均値が1/2であることから、
P=V022R=(NBSω)22R\overline{P} = \frac{V_0^2}{2R} = \frac{(NBS\omega)^2}{2R}
また、電流の実効値をIₑとすると、
P=RIe2\overline{P} = RI_e^2
より、
RIe2=(NBSω)22RRI_e^2 = \frac{(NBS\omega)^2}{2R}
Ie=NBSω2RI_e = \frac{NBS\omega}{\sqrt{2}R}

3. 最終的な答え

(1) Φ=NBScos(ωt)\Phi = NBS \cos(\omega t)
(2) V=NBSωsin(ωt)V = NBS \omega \sin(\omega t), V0=NBSωV_0 = NBS \omega, Ve=NBSω2V_e = \frac{NBS \omega}{\sqrt{2}}
(3) P=V02sin2(ωt)RP = \frac{V_0^2 \sin^2(\omega t)}{R}, P=RIe2=(NBSω)22R\overline{P} = RI_e^2 = \frac{(NBS\omega)^2}{2R}
, Ie=NBSω2RI_e = \frac{NBS\omega}{\sqrt{2}R}

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