赤玉5個と白玉2個が入った袋から、元に戻さずに1個ずつ続けて3回玉を取り出す。このとき、赤玉が出る個数を確率変数 $X$ とする。確率変数 $X$ の期待値を求めよ。

確率論・統計学確率期待値ベルヌーイ分布条件付き確率
2025/5/20

1. 問題の内容

赤玉5個と白玉2個が入った袋から、元に戻さずに1個ずつ続けて3回玉を取り出す。このとき、赤玉が出る個数を確率変数 XX とする。確率変数 XX の期待値を求めよ。

2. 解き方の手順

期待値の線形性を用いることを考えます。ii 回目に取り出した玉が赤玉であるという事象を AiA_i とし、AiA_i が起こる確率を P(Ai)P(A_i) とします。
ii 回目に取り出した玉が赤玉であるとき、Xi=1X_i = 1 とし、そうでないとき Xi=0X_i = 0 となる確率変数 XiX_i を定義します。
X=X1+X2+X3X = X_1 + X_2 + X_3 となり、XiX_i はベルヌーイ分布に従います。
期待値の線形性より E[X]=E[X1]+E[X2]+E[X3]E[X] = E[X_1] + E[X_2] + E[X_3] となります。
E[Xi]=P(Ai)E[X_i] = P(A_i) となるので、P(A1),P(A2),P(A3)P(A_1), P(A_2), P(A_3) をそれぞれ求めます。
まず、P(A1)P(A_1) について、1回目に赤玉が出る確率は 57\frac{5}{7} です。
P(A1)=57P(A_1) = \frac{5}{7}
次に、P(A2)P(A_2) について、2回目に赤玉が出る確率は、1回目に赤玉が出た場合と白玉が出た場合に分けて考えます。
1回目に赤玉が出た場合、2回目に赤玉が出る確率は 57×46=2042\frac{5}{7} \times \frac{4}{6} = \frac{20}{42}
1回目に白玉が出た場合、2回目に赤玉が出る確率は 27×56=1042\frac{2}{7} \times \frac{5}{6} = \frac{10}{42}
よって、P(A2)=2042+1042=3042=57P(A_2) = \frac{20}{42} + \frac{10}{42} = \frac{30}{42} = \frac{5}{7}
次に、P(A3)P(A_3) について、3回目に赤玉が出る確率は、
1回目に赤玉、2回目に赤玉が出た場合: 57×46×35=60210\frac{5}{7} \times \frac{4}{6} \times \frac{3}{5} = \frac{60}{210}
1回目に赤玉、2回目に白玉が出た場合: 57×26×45=40210\frac{5}{7} \times \frac{2}{6} \times \frac{4}{5} = \frac{40}{210}
1回目に白玉、2回目に赤玉が出た場合: 27×56×45=40210\frac{2}{7} \times \frac{5}{6} \times \frac{4}{5} = \frac{40}{210}
1回目に白玉、2回目に白玉が出た場合: 27×16×55=10210\frac{2}{7} \times \frac{1}{6} \times \frac{5}{5} = \frac{10}{210}
よって、P(A3)=60210+40210+40210+10210=150210=57P(A_3) = \frac{60}{210} + \frac{40}{210} + \frac{40}{210} + \frac{10}{210} = \frac{150}{210} = \frac{5}{7}
したがって、E[X]=E[X1]+E[X2]+E[X3]=P(A1)+P(A2)+P(A3)=57+57+57=157E[X] = E[X_1] + E[X_2] + E[X_3] = P(A_1) + P(A_2) + P(A_3) = \frac{5}{7} + \frac{5}{7} + \frac{5}{7} = \frac{15}{7}

3. 最終的な答え

157\frac{15}{7}

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