$A$ は $m \times n$ 行列、$Q$ は $n$ 次正則行列とする。$AQ$ を係数行列、$\mathbf{x}$ を未知数ベクトル、$\mathbf{b}$ を定数項ベクトルとする連立一次方程式 $(AQ)\mathbf{x} = \mathbf{b}$ が解をもつための必要十分条件が $\mathrm{rank}[A, \mathbf{b}] = \mathrm{rank} A$ であることを示す問題。ただし、$ \mathbf{y} = Q\mathbf{x}$ と未知数を置き換えて $\mathbf{y}$ の方程式が解をもつための条件を求め、 $Q$ が正則であることから $\mathbf{x}$ の方程式が解をもつことと $\mathbf{y}$ の方程式が解をもつことが同値であることを利用する。
2025/5/21
1. 問題の内容
は 行列、 は 次正則行列とする。 を係数行列、 を未知数ベクトル、 を定数項ベクトルとする連立一次方程式 が解をもつための必要十分条件が であることを示す問題。ただし、 と未知数を置き換えて の方程式が解をもつための条件を求め、 が正則であることから の方程式が解をもつことと の方程式が解をもつことが同値であることを利用する。
2. 解き方の手順
まず、 とおく。すると、 は と書けるので、 となる。
この連立一次方程式 が解をもつための必要十分条件は、拡大係数行列 のランクと係数行列 のランクが等しいこと、つまり である。
次に、 が正則行列であることから、 は一対一対応である。つまり、 の方程式 が解をもつことと、 の方程式 が解をもつことは同値である。
したがって、 が解をもつための必要十分条件は、 が解をもつための必要十分条件、つまり となる。
3. 最終的な答え
が解をもつための必要十分条件は、 である。