原点 $O(0,0)$、点 $A(a,b)$、点 $B(c,d)$ を頂点とする三角形の面積 $S$ が $S = \frac{1}{2} |ad - bc|$ で与えられることを、内積を用いて導出する。

幾何学面積ベクトル内積外積
2025/5/21

1. 問題の内容

原点 O(0,0)O(0,0)、点 A(a,b)A(a,b)、点 B(c,d)B(c,d) を頂点とする三角形の面積 SSS=12adbcS = \frac{1}{2} |ad - bc| で与えられることを、内積を用いて導出する。

2. 解き方の手順

ベクトル OA=(ab)\vec{OA} = \begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix} とベクトル OB=(cd)\vec{OB} = \begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix} を考える。
三角形 OAB の面積 S は、これらのベクトルが張る平行四辺形の面積の半分である。
平行四辺形の面積は、ベクトルの外積の絶対値に等しい。
2次元ベクトルの外積は、次のように定義される。
OA×OB=adbc\vec{OA} \times \vec{OB} = ad - bc
したがって、平行四辺形の面積は adbc|ad - bc| となる。
三角形 OAB の面積 S は、平行四辺形の面積の半分なので、
S=12adbcS = \frac{1}{2} |ad - bc|
次に、内積を用いて面積を計算する。
OA2=a2+b2|\vec{OA}|^2 = a^2 + b^2
OB2=c2+d2|\vec{OB}|^2 = c^2 + d^2
OAOB=ac+bd\vec{OA} \cdot \vec{OB} = ac + bd
三角形 OAB の面積 S は、次の式でも表される。
S=12OAOBsinθS = \frac{1}{2} |\vec{OA}| |\vec{OB}| \sin \theta
ここで、θ\theta はベクトル OA\vec{OA} とベクトル OB\vec{OB} のなす角である。
cosθ=OAOBOAOB=ac+bda2+b2c2+d2\cos \theta = \frac{\vec{OA} \cdot \vec{OB}}{|\vec{OA}| |\vec{OB}|} = \frac{ac + bd}{\sqrt{a^2 + b^2} \sqrt{c^2 + d^2}}
sin2θ+cos2θ=1\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1 より、
sin2θ=1cos2θ=1(ac+bd)2(a2+b2)(c2+d2)=(a2+b2)(c2+d2)(ac+bd)2(a2+b2)(c2+d2)=a2c2+a2d2+b2c2+b2d2(a2c2+2acbd+b2d2)(a2+b2)(c2+d2)=a2d22acbd+b2c2(a2+b2)(c2+d2)=(adbc)2(a2+b2)(c2+d2)\sin^2 \theta = 1 - \cos^2 \theta = 1 - \frac{(ac + bd)^2}{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)} = \frac{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2) - (ac + bd)^2}{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)} = \frac{a^2c^2 + a^2d^2 + b^2c^2 + b^2d^2 - (a^2c^2 + 2acbd + b^2d^2)}{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)} = \frac{a^2d^2 - 2acbd + b^2c^2}{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)} = \frac{(ad - bc)^2}{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)}
sinθ=adbc(a2+b2)(c2+d2)\sin \theta = \frac{|ad - bc|}{\sqrt{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)}}
S=12OAOBsinθ=12a2+b2c2+d2adbc(a2+b2)(c2+d2)=12adbcS = \frac{1}{2} |\vec{OA}| |\vec{OB}| \sin \theta = \frac{1}{2} \sqrt{a^2 + b^2} \sqrt{c^2 + d^2} \frac{|ad - bc|}{\sqrt{(a^2 + b^2)(c^2 + d^2)}} = \frac{1}{2} |ad - bc|

3. 最終的な答え

S=12adbcS = \frac{1}{2} |ad - bc|

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