$a = b$ という等式から、変形を繰り返すことで $1 = 2$ という誤った結論に至る過程において、どの変形に誤りがあるかを特定し、その理由を説明する問題です。ただし、$a, b$ は実数で、$a \neq 0$ かつ $b \neq 0$とします。

代数学等式変形誤謬ゼロ除算
2025/5/22

1. 問題の内容

a=ba = b という等式から、変形を繰り返すことで 1=21 = 2 という誤った結論に至る過程において、どの変形に誤りがあるかを特定し、その理由を説明する問題です。ただし、a,ba, b は実数で、a0a \neq 0 かつ b0b \neq 0とします。

2. 解き方の手順

順番に各ステップの変形を検証します。
ステップ1: a=ba = b (前提条件)
ステップ2: ab=b2ab = b^2 (両辺に bb をかける。b0b \neq 0 なので問題ない)
ステップ3: aba2=b2a2ab - a^2 = b^2 - a^2 (両辺から a2a^2 を引く。問題ない)
ステップ4: a(ba)=(b+a)(ba)a(b - a) = (b + a)(b - a) (左辺を aa で、右辺を因数分解。問題ない)
ステップ5: a=b+aa = b + a (両辺を (ba)(b-a) で割る。しかし、a=ba = b なので、ba=0b - a = 0 であり、0 で割ることはできない)
ステップ6: a=2aa = 2a (ステップ5からa=ba=bよりa=a+a=2aa=a+a=2a。問題ない)
ステップ7: 1=21 = 2 (両辺を aaで割る。問題ない)
誤りはステップ5への変形で発生しています。a=ba=bより、ba=0b-a = 0となるため、ステップ4からステップ5へ進む際に、0 で割ってはいけないというルールを犯しています。

3. 最終的な答え

誤りがある変形は ④ です。理由は、a=ba = b より、ba=0b - a = 0 であるため、④から⑤への変形で両辺を (ba)(b - a) で割ることは、0 で割ることに相当し、数学的に許されないからです。

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