相加平均と相乗平均の関係を利用して、次の不等式を証明し、等号が成り立つ場合を調べる問題です。ただし、文字はすべて正の数とします。 (1) $(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64$ (2) $\sqrt{ab} \geq \frac{2ab}{a+b}$

代数学不等式相加相乗平均証明代数
2025/5/22

1. 問題の内容

相加平均と相乗平均の関係を利用して、次の不等式を証明し、等号が成り立つ場合を調べる問題です。ただし、文字はすべて正の数とします。
(1) (a+4b)(b+4c)(c+4a)64(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64
(2) ab2aba+b\sqrt{ab} \geq \frac{2ab}{a+b}

2. 解き方の手順

(1) (a+4b)(b+4c)(c+4a)64(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64 の証明
相加平均と相乗平均の関係より、x>0,y>0x > 0, y > 0のとき、x+y2xy\frac{x+y}{2} \geq \sqrt{xy} が成り立ちます。
a+4b2a4b=4aba + \frac{4}{b} \geq 2\sqrt{a \cdot \frac{4}{b}} = 4\sqrt{\frac{a}{b}}
b+4c2b4c=4bcb + \frac{4}{c} \geq 2\sqrt{b \cdot \frac{4}{c}} = 4\sqrt{\frac{b}{c}}
c+4a2c4a=4cac + \frac{4}{a} \geq 2\sqrt{c \cdot \frac{4}{a}} = 4\sqrt{\frac{c}{a}}
これらの不等式を掛け合わせると、
(a+4b)(b+4c)(c+4a)4ab4bc4ca(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 4\sqrt{\frac{a}{b}} \cdot 4\sqrt{\frac{b}{c}} \cdot 4\sqrt{\frac{c}{a}}
(a+4b)(b+4c)(c+4a)64abbcca(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64\sqrt{\frac{a}{b} \cdot \frac{b}{c} \cdot \frac{c}{a}}
(a+4b)(b+4c)(c+4a)641(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64\sqrt{1}
(a+4b)(b+4c)(c+4a)64(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64
等号が成り立つのは、a=4b,b=4c,c=4aa = \frac{4}{b}, b = \frac{4}{c}, c = \frac{4}{a} のときです。
すなわち、ab=4,bc=4,ca=4ab = 4, bc = 4, ca = 4のとき。
これからa=b=ca=b=cとなり、a2=4a^2 = 4なので、a=b=c=2a = b = c = 2のとき等号が成り立ちます。
(2) ab2aba+b\sqrt{ab} \geq \frac{2ab}{a+b} の証明
相加平均と相乗平均の関係より、a>0,b>0a > 0, b > 0のとき、a+b2ab\frac{a+b}{2} \geq \sqrt{ab} が成り立ちます。
この不等式の両辺の逆数をとると(両辺が正なので不等号の向きが変わります)、
2a+b1ab\frac{2}{a+b} \leq \frac{1}{\sqrt{ab}}
両辺にababを掛けると、
2aba+babab=ab\frac{2ab}{a+b} \leq \frac{ab}{\sqrt{ab}} = \sqrt{ab}
よって、ab2aba+b\sqrt{ab} \geq \frac{2ab}{a+b} が証明されました。
等号が成り立つのは、a=ba = bのときです。

3. 最終的な答え

(1) 不等式 (a+4b)(b+4c)(c+4a)64(a + \frac{4}{b})(b + \frac{4}{c})(c + \frac{4}{a}) \geq 64 は証明されました。等号が成り立つのは、a=b=c=2a = b = c = 2のときです。
(2) 不等式 ab2aba+b\sqrt{ab} \geq \frac{2ab}{a+b} は証明されました。等号が成り立つのは、a=ba = bのときです。

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