$a = b$ という等式から、$1 = 2$ という誤った結論を導く過程における、①から⑥までの変形のうち、誤りがあるものをすべて指摘し、その理由を説明します。ただし、$a$ と $b$ は実数であり、$a \neq 0$ かつ $b \neq 0$ であるとします。

1. 問題の内容

$a = b$ という等式から、$1 = 2$ という誤った結論を導く過程における、①から⑥までの変形のうち、誤りがあるものをすべて指摘し、その理由を説明します。ただし、$a$ と $b$ は実数であり、$a \neq 0$ かつ $b \neq 0$ であるとします。

2. 解き方の手順

① $a = b$ の両辺に $b$ を掛けると、 $ab = b^2$ となり、これは正しいです。

② $ab = b^2$ と $a = b$ の両辺から $a^2$ を引くと、$ab - a^2 = b^2 - a^2$ となり、これも正しいです。

③ $ab - a^2 = b^2 - a^2$ を因数分解すると、$a(b - a) = (b + a)(b - a)$ となり、これも正しいです。

④ $a(b - a) = (b + a)(b - a)$ の両辺を $(b - a)$ で割ると、$a = b + a$ となります。しかし、$a = b$ であるので、$b - a = 0$ となり、0 で割ることはできないため、この変形は誤りです。

⑤ $a = b + a$ において、$a = b$ を代入すると、$a = a + a = 2a$ となり、これは正しいです。

⑥ $a = 2a$ の両辺から $a$ を引くと、$0 = a$ となり、これは $a \neq 0$ の条件に矛盾します。しかし、$a=2a$ の両辺を $a$ で割ると $1=2$ となってしまいます。 $a=2a$の両辺から $a$ を引くのは正当な変形なので、⑤から⑥の変形自体に誤りはありません。誤りは④の変形から生じています。

3. 最終的な答え

誤りがある変形は④です。理由は、$a = b$ より $b - a = 0$ であるため、$a(b - a) = (b + a)(b - a)$ の両辺を $b - a$ で割ることは 0 で割ることに相当し、数学的に許されないからです。