図のようなエアギャップのある鉄心回路について、以下の4つの量を求めます。 (1) 鉄心の磁気抵抗 (2) エアギャップの磁気抵抗 (3) 回路の磁束 (4) 磁束密度 与えられた条件は、巻数 $N = 400$、電流 $I = 5A$、鉄心の比透磁率 $\mu_r = 1500$、断面積 $A = 10 \text{ cm}^2 = 10 \times 10^{-4} \text{ m}^2 = 10^{-3} \text{ m}^2$、鉄心の磁路の長さ $l_1 = 20 \text{ cm} = 0.2 \text{ m}$、エアギャップの長さ $l_2 = 2 \text{ mm} = 0.002 \text{ m}$ です。

応用数学電磁気学磁気回路磁気抵抗磁束磁束密度
2025/5/23

1. 問題の内容

図のようなエアギャップのある鉄心回路について、以下の4つの量を求めます。
(1) 鉄心の磁気抵抗
(2) エアギャップの磁気抵抗
(3) 回路の磁束
(4) 磁束密度
与えられた条件は、巻数 N=400N = 400、電流 I=5AI = 5A、鉄心の比透磁率 μr=1500\mu_r = 1500、断面積 A=10 cm2=10×104 m2=103 m2A = 10 \text{ cm}^2 = 10 \times 10^{-4} \text{ m}^2 = 10^{-3} \text{ m}^2、鉄心の磁路の長さ l1=20 cm=0.2 ml_1 = 20 \text{ cm} = 0.2 \text{ m}、エアギャップの長さ l2=2 mm=0.002 ml_2 = 2 \text{ mm} = 0.002 \text{ m} です。

2. 解き方の手順

(1) 鉄心の磁気抵抗 R1R_1 を求める。
磁気抵抗は R=lμAR = \frac{l}{\mu A} で計算できます。ここで、ll は磁路の長さ、μ\mu は透磁率、AA は断面積です。鉄心の透磁率 μ1\mu_1μ1=μrμ0\mu_1 = \mu_r \mu_0 で与えられます。ただし、μ0=4π×107 H/m\mu_0 = 4\pi \times 10^{-7} \text{ H/m} は真空の透磁率です。したがって、鉄心の磁気抵抗は
R1=l1μ1A=l1μrμ0A=0.21500×4π×107×1031.06×105 A/WbR_1 = \frac{l_1}{\mu_1 A} = \frac{l_1}{\mu_r \mu_0 A} = \frac{0.2}{1500 \times 4\pi \times 10^{-7} \times 10^{-3}} \approx 1.06 \times 10^{5} \text{ A/Wb}
(2) エアギャップの磁気抵抗 R2R_2 を求める。
エアギャップの透磁率は μ0\mu_0 です。エアギャップの磁気抵抗は
R2=l2μ0A=0.0024π×107×1031.59×106 A/WbR_2 = \frac{l_2}{\mu_0 A} = \frac{0.002}{4\pi \times 10^{-7} \times 10^{-3}} \approx 1.59 \times 10^{6} \text{ A/Wb}
(3) 回路の磁束 Φ\Phi を求める。
磁束は Φ=NIR\Phi = \frac{NI}{R} で計算できます。ここで、NN は巻数、II は電流、RR は回路全体の磁気抵抗です。回路全体の磁気抵抗は、鉄心の磁気抵抗とエアギャップの磁気抵抗の和で与えられます。つまり、R=R1+R2R = R_1 + R_2 です。したがって、
R=R1+R2=1.06×105+1.59×1061.696×106 A/WbR = R_1 + R_2 = 1.06 \times 10^{5} + 1.59 \times 10^{6} \approx 1.696 \times 10^{6} \text{ A/Wb}
磁束は
Φ=NIR=400×51.696×1061.18×103 Wb\Phi = \frac{NI}{R} = \frac{400 \times 5}{1.696 \times 10^{6}} \approx 1.18 \times 10^{-3} \text{ Wb}
(4) 磁束密度 BB を求める。
磁束密度は B=ΦAB = \frac{\Phi}{A} で計算できます。したがって、
B=1.18×1031031.18 TB = \frac{1.18 \times 10^{-3}}{10^{-3}} \approx 1.18 \text{ T}

3. 最終的な答え

(1) 鉄心の磁気抵抗: 1.06×105 A/Wb1.06 \times 10^{5} \text{ A/Wb}
(2) エアギャップの磁気抵抗: 1.59×106 A/Wb1.59 \times 10^{6} \text{ A/Wb}
(3) 回路の磁束: 1.18×103 Wb1.18 \times 10^{-3} \text{ Wb}
(4) 磁束密度: 1.18 T1.18 \text{ T}

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