この問題は、ボルツマン分布を使って解きます。ボルツマン分布は、ある温度 T におけるエネルギー状態 Ei にある分子の数 Ni が、次の式で与えられることを示しています。 Ni∝giexp(−kTEi) ここで、gi は状態 i の縮退度、k はボルツマン定数、T は絶対温度です。 基底状態を状態0、第一励起状態を状態1とします。すると、それぞれの状態にある分子数の比は、次のようになります。
N0N1=g0exp(−kTE0)g1exp(−kTE1)=g0g1exp(−kTE1−E0)=g0g1exp(−kTΔE) ここで、g0=1, g1=3 であり、ΔE=E1−E0 はエネルギー準位間の差です。 与えられたエネルギー準位の差は 365 cm−1 ですが、これをジュール単位に変換する必要があります。 ΔE=365 cm−1=36500 m−1. E=hcν~ ここで、h はプランク定数 (6.626×10−34 J s)、c は光速 (2.998×108 m/s)、ν~は波数です。 ΔE=(6.626×10−34 J s)×(2.998×108 m/s)×(36500 m−1)=7.2685×10−23 J 温度は 25∘C=298.15 K です。ボルツマン定数 k=1.381×10−23 J/K を用いると、 kTΔE=(1.381×10−23 J/K)×(298.15 K)7.2685×10−23 J=1.381×298.157.2685=1.7628 よって、
N0N1=13exp(−1.7628)=3×0.17209=0.51627 第一励起状態にある分子数は基底状態にある分子数の 0.51627×100%=51.627% です。