ヘリウム(He)をファンデルワールスの実在気体として扱ったとき、ファンデルワールス定数 $b$ は教科書の表8-1より $0.0238 \ L \ mol^{-1}$ である。この$b$の値から、ヘリウム原子を球と仮定したときの半径を求め、教科書の表3-3に記載されているヘリウムの半径と比較せよ。

応用数学物理化学ファンデルワールス力原子半径体積
2025/6/18

1. 問題の内容

ヘリウム(He)をファンデルワールスの実在気体として扱ったとき、ファンデルワールス定数 bb は教科書の表8-1より 0.0238 L mol10.0238 \ L \ mol^{-1} である。このbbの値から、ヘリウム原子を球と仮定したときの半径を求め、教科書の表3-3に記載されているヘリウムの半径と比較せよ。

2. 解き方の手順

ファンデルワールス定数 bb は、気体分子の排除体積に関連付けられています。
NAN_A をアボガドロ定数、rr をヘリウム原子の半径とすると、1モルの気体分子の排除体積は、
b=4NAVmb = 4 N_A V_m
ここで、VmV_m は1分子あたりの排除体積であり、球体分子の場合
Vm=43πr3V_m = \frac{4}{3} \pi r^3
したがって、
b=4NA43πr3=163πNAr3b = 4 N_A \frac{4}{3} \pi r^3 = \frac{16}{3} \pi N_A r^3
この式から、半径 rr を求めることができます。
r3=3b16πNAr^3 = \frac{3b}{16 \pi N_A}
r=3b16πNA3r = \sqrt[3]{\frac{3b}{16 \pi N_A}}
ここで、b=0.0238 L mol1=0.0238×103 m3 mol1b = 0.0238 \ L \ mol^{-1} = 0.0238 \times 10^{-3} \ m^3 \ mol^{-1}NA=6.022×1023 mol1N_A = 6.022 \times 10^{23} \ mol^{-1} を代入すると、
r=3×0.0238×103 m3 mol116π×6.022×1023 mol13=7.14×1053.02×1025π3 mr = \sqrt[3]{\frac{3 \times 0.0238 \times 10^{-3} \ m^3 \ mol^{-1}}{16 \pi \times 6.022 \times 10^{23} \ mol^{-1}}} = \sqrt[3]{\frac{7.14 \times 10^{-5}}{3.02 \times 10^{25}\pi}} \ m
r=7.51×10313 m=1.96×1010 m=196 pmr = \sqrt[3]{7.51 \times 10^{-31}} \ m = 1.96 \times 10^{-10} \ m = 196 \ pm
教科書の表3-3と比較する(仮定)。
(教科書がないため、参考文献として一般的なヘリウム原子の半径と比較します。)
ヘリウム原子のファンデルワールス半径は、おおよそ 140 pm とされています。
したがって、bb から求めた半径は、一般的に知られるヘリウム原子のファンデルワールス半径よりも少し大きい値となります。

3. 最終的な答え

ヘリウムを球としたときの半径: 196 pm196 \ pm

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