初速度 $v_0$ で角度 $\theta$ で投射された物体が、座標 $(X, Y)$ に命中するような $\tan \theta$ の値を求める問題です。重力加速度を $g$ とします。

応用数学力学放物運動軌道微分積分最適化
2025/6/18
## 問題6:座標 (X, Y) にある的に命中させるために必要な投射角 tan θ を求める。

1. **問題の内容**

初速度 v0v_0 で角度 θ\theta で投射された物体が、座標 (X,Y)(X, Y) に命中するような tanθ\tan \theta の値を求める問題です。重力加速度を gg とします。

2. **解き方の手順**

まず、物体の運動を水平方向と垂直方向に分けて考えます。
* 水平方向の運動(等速直線運動):
x=v0cosθtx = v_0 \cos \theta \cdot t
したがって、t=xv0cosθt = \frac{x}{v_0 \cos \theta}
* 垂直方向の運動(等加速度運動):
y=v0sinθt12gt2y = v_0 \sin \theta \cdot t - \frac{1}{2} g t^2
座標 (X,Y)(X, Y) に命中するので、x=Xx = Xy=Yy = Y を代入します。
Y=v0sinθXv0cosθ12g(Xv0cosθ)2Y = v_0 \sin \theta \cdot \frac{X}{v_0 \cos \theta} - \frac{1}{2} g (\frac{X}{v_0 \cos \theta})^2
Y=XtanθgX22v02cos2θY = X \tan \theta - \frac{g X^2}{2 v_0^2 \cos^2 \theta}
cos2θ=11+tan2θ\cos^2 \theta = \frac{1}{1 + \tan^2 \theta} を用いて、cos2θ\cos^2 \theta を消去します。
Y=XtanθgX22v02(1+tan2θ)Y = X \tan \theta - \frac{g X^2}{2 v_0^2} (1 + \tan^2 \theta)
gX22v02tan2θXtanθ+(Y+gX22v02)=0\frac{g X^2}{2 v_0^2} \tan^2 \theta - X \tan \theta + (Y + \frac{g X^2}{2 v_0^2}) = 0
この tanθ\tan \theta に関する2次方程式を解きます。解の公式より
tanθ=X±X24gX22v02(Y+gX22v02)2gX22v02\tan \theta = \frac{X \pm \sqrt{X^2 - 4 \cdot \frac{gX^2}{2v_0^2} (Y + \frac{gX^2}{2v_0^2})}}{2 \cdot \frac{gX^2}{2v_0^2}}
tanθ=v02gX(1±12gYv02g2X2v04)\tan \theta = \frac{v_0^2}{gX} \left( 1 \pm \sqrt{1 - \frac{2gY}{v_0^2} - \frac{g^2 X^2}{v_0^4}} \right)

3. **最終的な答え**

tanθ=v02gX(1±12gYv02g2X2v04)\tan \theta = \frac{v_0^2}{gX} \left( 1 \pm \sqrt{1 - \frac{2gY}{v_0^2} - \frac{g^2 X^2}{v_0^4}} \right)
## 問題7:質点が移動する際の軌跡と地面との間の面積が最大となるような投射角 θmax\theta_{max} を求める。ただし、0<θmax<π20 < \theta_{max} < \frac{\pi}{2} とする。

1. **問題の内容**

初速度 v0v_0 で角度 θmax\theta_{max} で投射された物体の軌跡と地面との間の面積が最大となるような θmax\theta_{max} の値を求める問題です。

2. **解き方の手順**

まず、面積を求めます。面積は、放物線の式を積分することで求めることができますが、ここでは放物線の性質を利用して、簡略化します。
* 水平到達距離 RR は、R=v02sin(2θ)gR = \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{g}
* 最高点の高さ HH は、H=v02sin2θ2gH = \frac{v_0^2 \sin^2 \theta}{2g}
* 放物線と地面との間の面積は、S=23RHS = \frac{2}{3} R H
これらの式を代入すると、
S=23v02sin(2θ)gv02sin2θ2g=v043g2sin(2θ)sin2θS = \frac{2}{3} \cdot \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{g} \cdot \frac{v_0^2 \sin^2 \theta}{2g} = \frac{v_0^4}{3g^2} \sin(2\theta) \sin^2 \theta
面積 SS が最大になるような θ\theta を求めます。SSθ\theta で微分して、dS/dθ=0dS/d\theta = 0 となる条件を探します。
dSdθ=v043g2(2cos(2θ)sin2θ+sin(2θ)2sinθcosθ)=0\frac{dS}{d\theta} = \frac{v_0^4}{3g^2} (2\cos(2\theta) \sin^2 \theta + \sin(2\theta) 2\sin \theta \cos \theta) = 0
dSdθ=2v043g2(cos(2θ)sin2θ+sin2θcosθcosθ)=0\frac{dS}{d\theta} = \frac{2v_0^4}{3g^2} (\cos(2\theta) \sin^2 \theta + \sin^2 \theta \cos \theta \cos \theta) =0
dSdθ=2v043g2sin2θ(cos(2θ)+cos2θ)=0\frac{dS}{d\theta} = \frac{2v_0^4}{3g^2} \sin^2 \theta (\cos(2\theta) + \cos^2 \theta) = 0
sinθ=0\sin \theta = 00<θ<π20 < \theta < \frac{\pi}{2} に反するので、cos(2θ)+cos2θ=0cos(2\theta) + cos^2 \theta = 0 を解きます。
cos(2θ)=2cos2θ1cos(2\theta) = 2cos^2 \theta - 1 であるため、
2cos2θ1+cos2θ=02cos^2 \theta - 1 + cos^2 \theta = 0
3cos2θ=13cos^2 \theta = 1
cos2θ=13cos^2 \theta = \frac{1}{3}
cosθ=13cos \theta = \frac{1}{\sqrt{3}}
θ=arccos(13)0.9553 rad54.73\theta = \arccos \left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) \approx 0.9553 \text{ rad} \approx 54.73^{\circ}

3. **最終的な答え**

θmax=arccos(13)\theta_{max} = \arccos \left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)

「応用数学」の関連問題

図1のように、初速度 $v_0$ で角度 $\theta$ で原点から発射された物体が、座標 $(X, Y)$ に到達するような投射角 $\tan \theta$ を求める問題です。

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