ビルの屋上から小球 A を初速度 $v_0$ で鉛直上向きに投げ上げた。小球 A は時刻 $T$ に最高点に達し、時刻 $3T$ に地面に到達した。重力加速度の大きさを $g$ とする。このとき、以下の問いに答える。 * 問1: 初速度 $v_0$ を $g$ と $T$ で表す。 * 問2: 小球 A が投げ上げられた後、ビルの屋上と同じ高さの位置を通過した時刻を $T$ で表す。 * 問3: 地面からビルの屋上までの高さを求める。 * (1) 時刻 $t=0$ から $t=3T$ までの小球 A の速度 $v$ と時刻 $t$ の関係を表す $v-t$ グラフを描く。 * (2) (1) で描いた $v-t$ グラフを用いて、地面からビルの屋上までの高さを $v_0$ と $T$ で表す。 * 問4: 時刻 $t=0$ に小球 A を投げ上げた後、時刻 $t=T_0$ に小球 B を初速度 0 で落下させたところ、小球 A と小球 B が同時に地面に到達した。$T_0$ を $T$ で表す。

1. 問題の内容

ビルの屋上から小球 A を初速度 $v_0$ で鉛直上向きに投げ上げた。小球 A は時刻 $T$ に最高点に達し、時刻 $3T$ に地面に到達した。重力加速度の大きさを $g$ とする。このとき、以下の問いに答える。

* 問1: 初速度 $v_0$ を $g$ と $T$ で表す。

* 問2: 小球 A が投げ上げられた後、ビルの屋上と同じ高さの位置を通過した時刻を $T$ で表す。

* 問3: 地面からビルの屋上までの高さを求める。

* (1) 時刻 $t=0$ から $t=3T$ までの小球 A の速度 $v$ と時刻 $t$ の関係を表す $v-t$ グラフを描く。

* (2) (1) で描いた $v-t$ グラフを用いて、地面からビルの屋上までの高さを $v_0$ と $T$ で表す。

* 問4: 時刻 $t=0$ に小球 A を投げ上げた後、時刻 $t=T_0$ に小球 B を初速度 0 で落下させたところ、小球 A と小球 B が同時に地面に到達した。$T_0$ を $T$ で表す。

2. 解き方の手順

* 問1:

* 最高点では速度が 0 になることを利用する。等加速度運動の公式 $v = v_0 - gt$ に $v=0$, $t=T$ を代入する。

$0 = v_0 - gT$

$v_0 = gT$

* 問2:

* 小球が屋上と同じ高さに戻るのは、上昇時間と下降時間が等しいときである。上昇時間は $T$ なので、下降時間も $T$ である。したがって、屋上と同じ高さに戻る時刻は $t=2T$ である。

* 問3:

* (1) $v-t$ グラフは、傾きが $-g$ の直線になる。$t=0$ で $v=v_0$、$t=T$ で $v=0$、$t=2T$ で $v=-v_0$、$t=3T$ で $v= -2v_0$となる。$v_0 = gT$なので、$v(3T) = -2gT$.

* (2) 地面からビルの屋上までの高さ $h$ は、$v-t$ グラフの $t=0$ から $t=3T$ までの面積の絶対値に等しい。

グラフの面積は、台形の面積として計算できる。 $t=0$から $t=3T$までにかかる小球の変位を考えると、

$h= \frac{1}{2} (v_0 + 2v_0) * 3T - 3v_0T /2 = \frac{3}{2} v_0 T$.

$v_0 = gT$ なので、$h = \frac{3}{2} gT^2$。

* 問4:

* 小球 B が落下する時間は $3T - T_0$ である。この間に落下する距離は、$\frac{1}{2} g (3T-T_0)^2$である。これは、問3(2)で求めた高さに等しい。

$\frac{1}{2} g (3T-T_0)^2 = \frac{3}{2} g T^2$

$(3T-T_0)^2 = 3T^2$

$3T-T_0 = \sqrt{3}T$

$T_0 = (3-\sqrt{3})T$

3. 最終的な答え

* 問1: $v_0 = gT$

* 問2: $2T$

* 問3:

* (1) $v-t$ グラフ：傾き $-g$ の直線、$t=0$ で $v=gT$、$t=3T$ で $v= -2gT$。

* (2) $\frac{3}{2} gT^2$

* 問4: $(3-\sqrt{3})T$