問題5では、質量 $m$ の小物体が点Pから斜面の最下点まですべる間に、斜面から受ける動摩擦力がした仕事と、小物体がパイプ内を点Aから点Dまで運動する間に、小物体にはたらく重力がした仕事をそれぞれ $m$, $g$, $r$ を用いて答える必要があります。

応用数学力学エネルギー保存仕事摩擦力重力物理
2025/5/25

1. 問題の内容

問題5では、質量 mm の小物体が点Pから斜面の最下点まですべる間に、斜面から受ける動摩擦力がした仕事と、小物体がパイプ内を点Aから点Dまで運動する間に、小物体にはたらく重力がした仕事をそれぞれ mm, gg, rr を用いて答える必要があります。

2. 解き方の手順

(1) 動摩擦力がした仕事:
点Pの高さは 2r2r であり、斜面の最下点(床面との接続点)までの距離を ll とします。
斜面の傾斜角を θ\theta とすると、sinθ=2rlsin\theta = \frac{2r}{l} より、l=2rsinθl = \frac{2r}{sin\theta}です。
斜面を滑る際、小物体にはたらく動摩擦力を ff とします。動摩擦力がした仕事 WfW_f は、Wf=flW_f = -fl で与えられます。問題文より、動摩擦力の大きさは一定と記載されています。位置エネルギーの変化はmgh=mg(2r)mgh = mg(2r)です。位置エネルギーの変化 = 動摩擦力がした仕事+運動エネルギーの変化となります。斜面最下点における運動エネルギーをKKとすると、mg(2r)=Wf+Kmg(2r)=W_f+Kとなります。点Pから静かに滑らせているので初速度は0です。
問題文より「小物体は斜面、床面をすべり、点Aからパイプ内に入ってパイプの内面に接して運動する。斜面の最下点を通過するときと、点Aでパイプ内に入るときに小物体の速さはそれぞれ変化しないものとする。」と記載があるので、斜面最下点における運動エネルギーKKと点Aにおける運動エネルギーは等しいです。
パイプ内を点Aから点Dまで運動する際に、力学的エネルギーが保存されるので、mg(2r)=Wf+mg(rrcos30°)mg(2r)=W_f+mg(r-rcos30°)
Wf=mg(2r)mg(rrcos30°)=mg(r+rcos30°)=mg(1+32)rW_f = mg(2r)-mg(r-rcos30°)=mg(r+rcos30°) = mg(1+\frac{\sqrt{3}}{2})r
したがって、動摩擦力がした仕事は mg(1+32)r-mg(1+\frac{\sqrt{3}}{2})rとなります。
(2) 重力がした仕事:
小物体がパイプ内を点Aから点Dまで運動する間、重力がした仕事 WgW_g は、位置エネルギーの変化から求められます。点Aと点Dの高さの差は、rrcos30°=r(1cos30°)r-rcos30°=r(1-cos30°)です。したがって、重力がした仕事は
Wg=mg(rrcos30)=mgr(132)W_g = -mg(r - r\cos{30^\circ}) = -mgr(1-\frac{\sqrt{3}}{2})
となります。符号に注意して、重力は下向きに働き、位置エネルギーは減少するので、重力がした仕事は負になります。

3. 最終的な答え

斜面から受ける動摩擦力がした仕事:mg(1+32)r-mg(1+\frac{\sqrt{3}}{2})r
重力がした仕事:mgr(132)-mgr(1-\frac{\sqrt{3}}{2})

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