スクリーニング検査のキットがあり、ROC曲線が点(0.1, 0.9)を通る。このキットを有病率0.1の集団に適用したとき、検査で陽性だった人が有病である確率(陽性的中率)を求める。

確率論・統計学ベイズの定理確率ROC曲線陽性的中率スクリーニング検査
2025/5/26

1. 問題の内容

スクリーニング検査のキットがあり、ROC曲線が点(0.1, 0.9)を通る。このキットを有病率0.1の集団に適用したとき、検査で陽性だった人が有病である確率(陽性的中率)を求める。

2. 解き方の手順

ベイズの定理を使って、陽性的中率を計算します。
まず、記号を定義します。
* D: 有病である事象
* D\overline{D}: 無病である事象
* +: 検査で陽性となる事象
求めるものは、P(D+)P(D|+)、つまり陽性だった人が実際に有病である確率です。
ベイズの定理より、
P(D+)=P(+D)P(D)P(+)P(D|+) = \frac{P(+|D)P(D)}{P(+)}
ここで、
P(+)=P(+D)P(D)+P(+D)P(D)P(+) = P(+|D)P(D) + P(+|\overline{D})P(\overline{D})
問題文より、
* P(D)=0.1P(D) = 0.1 (有病率)
* P(D)=1P(D)=10.1=0.9P(\overline{D}) = 1 - P(D) = 1 - 0.1 = 0.9
* P(+D)=0.9P(+|D) = 0.9 (有病者の陽性確率)
* P(+D)=0.1P(+|\overline{D}) = 0.1 (無病者の陽性確率)
これらの値を代入して、P(+)P(+) を計算します。
P(+)=(0.9)(0.1)+(0.1)(0.9)=0.09+0.09=0.18P(+) = (0.9)(0.1) + (0.1)(0.9) = 0.09 + 0.09 = 0.18
次に、P(D+)P(D|+) を計算します。
P(D+)=(0.9)(0.1)0.18=0.090.18=0.5P(D|+) = \frac{(0.9)(0.1)}{0.18} = \frac{0.09}{0.18} = 0.5

3. 最終的な答え

検査で陽性だった人が有病である確率は0.5です。

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