半径1の球Aに半径 $r$ (ただし、$0 < r < 1$) の半球面Bをかぶせた立体の体積が最大となる $r$ の値を求める。

1. 問題の内容

半径1の球Aに半径 $r$ (ただし、$0 < r < 1$) の半球面Bをかぶせた立体の体積が最大となる $r$ の値を求める。

2. 解き方の手順

立体の体積を $r$ の関数として表し、その最大値を求める。

まず、球Aの体積 $V_A$ は

$V_A = \frac{4}{3}\pi (1)^3 = \frac{4}{3}\pi$

である。

次に、半球面Bの体積 $V_B$ は

$V_B = \frac{1}{2} \cdot \frac{4}{3}\pi r^3 = \frac{2}{3}\pi r^3$

である。

半球面Bを球Aにかぶせたとき、重なった部分の体積を求める必要がある。かぶさった部分の高さ $h$ は、半球面Bの中心から球Aの表面までの距離と考えることができる。球Aの中心を原点とすると、半球面Bの中心は原点から距離 $1-h$ の位置にある。この時、円の半径 $x$ を考えると、$x^2 + (1-h)^2 = r^2$の関係がある。よって、重なった部分の体積$V_{overlap}$を求めると、$V_{overlap} = \pi \int_{1-h}^{1} (1 - z^2) dz$となる。積分を計算すると、$V_{overlap} = \pi (h^2 - \frac{h^3}{3})$となる。ここで、$h$は半球面Bの高さなので、$h=1 - \sqrt{1 - r^2}$である。

ここで、簡単のため、半球面Bの体積をそのまま足し合わせると考えると、立体の体積Vは

$V = V_A + V_B = \frac{4}{3}\pi + \frac{2}{3}\pi r^3$

となる。

ただし、実際には重なりがあるので、この体積は正確ではない。

重なりを無視して体積を最大化する場合、$V$を$r$で微分すると

$\frac{dV}{dr} = 2\pi r^2$

これは常に正なので、$r$が大きければ大きいほど体積は大きくなる。しかし、$0 < r < 1$という条件があるので、$r$が1に近づくほど体積は大きくなる。

より正確に体積を計算するために、球Aの表面から高さ$h$までの球の体積を考える。

$h = r$ とすると、かぶさった部分の体積は球の冠の体積となり、

$V_{cap} = \frac{\pi h^2}{3}(3-h)$

$V_{cap} = \frac{\pi r^2}{3}(3-r)$

したがって、全体の体積は

$V = \frac{4}{3}\pi + \frac{2}{3}\pi r^3 - \frac{\pi r^2}{3}(3-r) = \frac{4}{3}\pi + \frac{2}{3}\pi r^3 - \pi r^2 + \frac{\pi r^3}{3} = \frac{4}{3}\pi - \pi r^2 + \pi r^3$

$V$を$r$で微分すると、

$\frac{dV}{dr} = -2\pi r + 3\pi r^2 = \pi r(-2 + 3r)$

$\frac{dV}{dr} = 0$となるのは、$r = 0$ または $r = \frac{2}{3}$のときである。

$r = \frac{2}{3}$のとき、$V$は極値をとる。

$r = 0$のとき、$V = \frac{4}{3}\pi$

$r = \frac{2}{3}$のとき、$V = \frac{4}{3}\pi - \pi (\frac{2}{3})^2 + \pi (\frac{2}{3})^3 = \frac{4}{3}\pi - \frac{4}{9}\pi + \frac{8}{27}\pi = \frac{36-12+8}{27}\pi = \frac{32}{27}\pi$

$r = 1$のとき、$V = \frac{4}{3}\pi - \pi + \pi = \frac{4}{3}\pi$

したがって、$r = \frac{2}{3}$の時、体積は極小値をとる。区間の端点である$r=1$に近づくほど体積が大きくなるので、最大値は存在しない。しかし、$0 < r < 1$なので、$r$は1にはなれない。

$r$が$\frac{2}{3}$より小さくなると、減少することも確認できる。

3. 最終的な答え

$r = \frac{2}{3}$