半径1の球Aと半径 $r$ ($0 < r < 1$) の半球面Bがある。球Aに半球面Bをかぶせた中身の詰まった立体の体積が最大となるときの $r$ の値が $\frac{2\sqrt{5}}{5}$ である理由を問う問題です。

応用数学体積積分微分最大値半球
2025/3/25

1. 問題の内容

半径1の球Aと半径 rr (0<r<10 < r < 1) の半球面Bがある。球Aに半球面Bをかぶせた中身の詰まった立体の体積が最大となるときの rr の値が 255\frac{2\sqrt{5}}{5} である理由を問う問題です。

2. 解き方の手順

まず、球Aの体積を VAV_A、半球面Bの体積を VBV_B とします。
球Aの半径は1なので、その体積は
VA=43π(1)3=43πV_A = \frac{4}{3}\pi (1)^3 = \frac{4}{3}\pi
半球面Bの半径は rr なので、その体積は
VB=1243πr3=23πr3V_B = \frac{1}{2} \cdot \frac{4}{3}\pi r^3 = \frac{2}{3}\pi r^3
球Aに半球面Bをかぶせた立体の体積を VV とします。この体積は、球Aの体積に、半球面Bの体積を加えたものから、重なっている部分の体積を引いたものです。重なっている部分の体積を求めるために、球Aの中心からの距離を xx とします。半球面Bの底面から球Aの中心までの距離は 1r1-r となります。重なっている部分の体積を VoverlapV_{overlap} とすると、
Voverlap=1r1π(1x2)dx=π[xx33]1r1=π(113(1r(1r)33))=π(231+r+13(13r+3r2r3))=π(13+r+13r+r2r33)=π(r2r33)V_{overlap} = \int_{1-r}^{1} \pi (1 - x^2) dx = \pi [x - \frac{x^3}{3}]_{1-r}^{1} = \pi (1-\frac{1}{3} - (1-r - \frac{(1-r)^3}{3})) = \pi (\frac{2}{3} - 1 + r + \frac{1}{3}(1-3r+3r^2-r^3)) = \pi (-\frac{1}{3}+r+\frac{1}{3}-r+r^2-\frac{r^3}{3}) = \pi (r^2 - \frac{r^3}{3})
よって、立体の体積 VV
V=VA+VBVoverlap=43π+23πr3π(r213r3)=π(43+r3r2)V = V_A + V_B - V_{overlap} = \frac{4}{3}\pi + \frac{2}{3}\pi r^3 - \pi(r^2 - \frac{1}{3}r^3) = \pi(\frac{4}{3} + r^3 - r^2)
VVrr について微分して、最大値を求めます。
dVdr=π(3r22r)=0\frac{dV}{dr} = \pi(3r^2 - 2r) = 0
r(3r2)=0r(3r-2) = 0
r=0,23r = 0, \frac{2}{3}
r=23r = \frac{2}{3}0<r<10 < r < 1 を満たします。
VV の2階微分を求めます。
d2Vdr2=π(6r2)\frac{d^2V}{dr^2} = \pi(6r-2)
r=23r = \frac{2}{3} のとき、d2Vdr2=π(6232)=π(42)=2π>0\frac{d^2V}{dr^2} = \pi(6 \cdot \frac{2}{3} - 2) = \pi(4-2) = 2\pi > 0 なので、r=23r=\frac{2}{3} のとき極小値を取ります。
球Aに半球面Bをかぶせた時の高さは 1+r1+r となり、球Aの中心からの距離が 1r1-r より小さい場合は、重なっている部分の体積の計算が変わってきます。
r=255r = \frac{2\sqrt{5}}{5}の場合、V=43π+πr3πr2=π(43r2+r3)V = \frac{4}{3}\pi + \pi r^3 - \pi r^2 = \pi (\frac{4}{3} -r^2 + r^3)
dVdr=π(2r+3r2)=0\frac{dV}{dr} = \pi (-2r+3r^2) = 0
r(3r2)=0r(3r-2) = 0
r=0,r=23r=0, r=\frac{2}{3}
したがって、与えられた r=255r = \frac{2\sqrt{5}}{5} は正しい値ではないようです。

3. 最終的な答え

問題文の体積が最大となるときの rr の値 255\frac{2\sqrt{5}}{5} は誤りである。正しくは 23\frac{2}{3} である。

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