蒸気タービンにおいて、質量流量1.0 kgの水蒸気に対する仕事量を求める問題です。蒸気はエンタルピー2000 kJ/kg で流入し、速度はほぼ0 m/s です。エンタルピー3000 kJ/kg, 速度400 m/s で流出します。ポテンシャルエネルギーの変化は無視できます。

応用数学熱力学エネルギー保存則仕事量流体力学
2025/5/27

1. 問題の内容

蒸気タービンにおいて、質量流量1.0 kgの水蒸気に対する仕事量を求める問題です。蒸気はエンタルピー2000 kJ/kg で流入し、速度はほぼ0 m/s です。エンタルピー3000 kJ/kg, 速度400 m/s で流出します。ポテンシャルエネルギーの変化は無視できます。

2. 解き方の手順

開いた系の熱力学第一法則を適用します。定常状態であると仮定すると、エネルギー保存則は以下のようになります。
m˙(h1+v122)=m˙(h2+v222)+W˙\dot{m} (h_1 + \frac{v_1^2}{2}) = \dot{m} (h_2 + \frac{v_2^2}{2}) + \dot{W}
ここで、
* m˙\dot{m} は質量流量 (kg/s)
* h1h_1 は流入時のエンタルピー (kJ/kg)
* h2h_2 は流出時のエンタルピー (kJ/kg)
* v1v_1 は流入時の速度 (m/s)
* v2v_2 は流出時の速度 (m/s)
* W˙\dot{W} は仕事率 (kW)
問題では、m˙\dot{m}は1 kg の水蒸気に与える仕事量なので、与えられた値を代入し、m˙\dot{m}を1 kg として仕事量 WW (kJ) を計算します。
h1=2000 kJ/kgh_1 = 2000 \text{ kJ/kg}
h2=3000 kJ/kgh_2 = 3000 \text{ kJ/kg}
v1=0 m/sv_1 = 0 \text{ m/s}
v2=400 m/sv_2 = 400 \text{ m/s}
エネルギー保存則の式を仕事量 WW について解くと、
W=h1+v122(h2+v222)W = h_1 + \frac{v_1^2}{2} - (h_2 + \frac{v_2^2}{2})
数値を代入して計算します。
W=2000+022(3000+40022×1000)W = 2000 + \frac{0^2}{2} - (3000 + \frac{400^2}{2 \times 1000})
W=200030001600002000W = 2000 - 3000 - \frac{160000}{2000}
W=100080W = -1000 - 80
W=1080 kJW = -1080 \text{ kJ}
仕事量は負の値になるので、これはタービンが水蒸気から取り出す仕事を示しています。

3. 最終的な答え

-1080 kJ

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